亜臨界水を用いた機能性素材の製造技術の開発

製造技術

製造技術の分野では、環境対応技術として、安全で安心な物質である水の特性をうまく利用した反応技術に関心が寄せられています。
一般に水は、高温度・高圧力の下では有機物などの物質を溶解しやすくなると同時に、イオンの働きが活発になることで物質同士を結び付けやすくする性質を持っています。花王では、環境負荷の小さい製造技術を開発すべく、亜臨界状態の高温・高圧水を用いた機能性素材の製造技術開発に取り組んできました。
機能性素材「グリセリルエーテル」の製造において、この亜臨界水熱反応技術により、廃棄物の発生がない反応プロセスを開発しました。パイロット設備で得られたデータから、反応速度やスケールアップの影響を解析して操作因子を定量化することでこの技術を確立し、反応時間を劇的に短縮すると同時に、選択性の高い効率的な合成が可能となりました。さらに、製造に使用した水は、分子サイズ及び膜素材との親和性を考慮した膜分離技術を適用して精製・再利用しています。これにより、貴重な水資源の大幅な削減も可能となり、製造プロセス全体としての技術完成度も高いものとなりました。
この亜臨界水によるグリセリルエーテルの製造プロセス技術は、今後、世界で通用する技術としてさまざまな用途への応用展開が期待されています。

グリセリルエーテル製造設備(亜臨界水熱反応部)

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