クロロゲン酸類の継続摂取により、日本人成人の高めの血圧を下げる機能があることを
定量的研究レビュー(メタアナリシス)で科学的根拠を検証
花王株式会社(社長・澤田道隆)ヘルスケア食品研究所は、定量的研究レビュー(メタアナリシス)*1 で検証した結果、『コーヒー豆由来のクロロゲン酸類の継続摂取により、日本人成人の高めの血圧を下げる機能があることは十分な科学的根拠がある』と考えられることがわかりました(表1)。
本研究内容の詳細は、機能性表示食品(届出番号C414、C415)の届出食品の科学的根拠等に関する基本情報における機能性の科学的根拠に記載されています。
また、コーヒー豆由来のクロロゲン酸類の継続摂取が日本人成人の高めの血圧に及ぼす機能に関する同様の研究は、Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)2018;46:1157-1166 に掲載、および第41回日本高血圧学会総会(2018/9/14~16、北海道)にて発表しています。花王は、今後も科学的根拠に基づく研究知見を積み重ねていきます。
本研究レビューは、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の血圧低下効果を検証するために、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の摂取が、日本人の疾病に罹患していない者(正常高値血圧者*2 :未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)とⅠ度高血圧者*3 の血圧(収縮期血圧:SBP、拡張期血圧:DBP)に及ぼす影響について、定量的研究レビュー(メタアナリシス)を行ない検証しました。
文献の適格基準*4 および検索方法*5 で文献検索を行なった結果、採用文献3報*6 を抽出しました。
1. 採用した文献3報すべてが、日本人成人男女の疾病に罹患していない者(正常高値血圧者)とⅠ度高血圧者を対象とし、コーヒー豆由来クロロゲン酸類含有飲料を12週間摂取させ、血圧(収縮期血圧:SBP、拡張期血圧:DBP)低下効果を対照食品(プラセボ)の摂取と比較したランダム化比較試験でした。
2. (1)コーヒー豆由来クロロゲン酸類(269.7~287.9mg/日)の12週間継続摂取で対照食品摂取と比較して、疾病に罹患していない者(正常高値血圧者)とⅠ度高血圧者の有意な血圧(収縮期血圧:SBP、拡張期血圧:DBP)低下効果が認められました。
収縮期血圧:SBP[-7.83mmHg (95%信頼区間 -8.66~-7.00)]と拡張期血圧:DBP[-4.54mmHg (95%信頼区間 -5.62~-3.47)]
(2)疾病に罹患していない者(正常高値血圧者)の層別解析でも同様に、コーヒー豆由来クロロゲン酸類(270.6~287.9mg/日)の12週間継続摂取で対照食品摂取と比較して有意な血圧(収縮期血圧:SBP、拡張期血圧:DBP)低下効果が認められました。
収縮期血圧:SBP[-7.42mmHg (95%信頼区間 -8.38~-6.46)]と拡張期血圧:DBP[-4.85mmHg(95%信頼区間 -6.34~-3.37)]
〇疾病に罹患していない者(正常高値血圧者)とI度高血圧者
※Nagao 2007 G1:文献No.2のI度高血圧者
Nagao 2007 HN:文献No.2の疾病に罹患していない者(正常高値血圧者)
◎採用論文3報はすべてRCTであり、解析対象者は合計437名と多く、メタアナリシスで定量的に効果の大きさを検証していることから、コーヒー豆由来クロロゲン酸類の12週間の継続摂取は、日本人成人の高めの血圧(収縮期血圧:SBP、拡張期血圧:DBP)を低下する機能は十分な科学的根拠があると考えられました。
*本資料は、重工記者クラブに配信しています。
花王株式会社 広報部
※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。