発表資料: 2019年01月23日

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花王史上最高の洗浄基剤「バイオIOS」を開発

~洗浄の世界に革新をもたらす~

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、これまで、さまざまな洗浄の場面に向き合ってきました。多くの洗浄基剤を開発し、また、使用する環境や対象物に応じて、より適切と考えられる洗浄系を構築し、生活者の皆さまのご要望にお応えすべく、よりよい製品をご提案してまいりました。このたび、花王は、これまでの洗浄分野に革新をもたらす、花王史上最高の洗浄基剤「バイオIOS」を開発しました。
バイオIOSは、2018年11月27日に開催した「花王グループ・技術イノベーション説明会」にて発表した基剤です。長年の花王の界面科学の本質研究の結果生まれた、油によくなじみ水にもよく溶ける、サステナブルで画期的な基剤であり、バイオIOSの開発に伴い、洗浄の世界は革新的なものへと変わり、新しい時代を迎えます。

バイオIOS 分子構造モデル
親水基:水になじむ部分、親油基(疎水鎖):油になじむ部分
長い親油基の中間部に親水基が位置する特殊な構造

バイオIOSの特長

バイオIOSは、非常に高い水溶性を有しながら、油になじみやすい性質を併せ持つ、とてもユニークな界面活性剤です。グローバルでの安定的な製造供給まで見据え、これまでの花王の研究知見、製造技術の検討とその成果に基づき、分子を設計、開発するに至りました。

油によくなじみ汚れは落としながら、水によく溶ける

界面活性剤は、分子内に油になじみやすい親油基(疎水鎖)の部分と、水になじみやすい親水基を併せ持つ分子種をいいます。バイオIOSは、長い親油基(炭素鎖長16~18)を持ちながらも、その親油基の中間部に親水基を有する特殊な構造です。実質的に親油基が2つの鎖に分かれたような分子形状となり、油との親和性が高まり、少量で油に吸着してよく落とす上に、見かけ上、長い疎水鎖を持ちながらも融点が低く、枝分かれした構造で水にもよく溶けやすいという性質があります。その結果、自らも対象物に付着しないという、これまでに類を見ない性能を発現します。すなわち、洗浄の結果、何も残らない対象物表面が生まれます。洗浄系に不向きな、グローバルな厳しい使用条件下(低温度下、高硬度水)でも、水によく溶けて機能を発現するという、使用優位性があります。
花王の長年の界面科学研究による緻密な分子形状コントロール技術に基づき生まれた、新しい基剤です。

サステナブルな洗浄基剤

天然油脂原料を使用する界面活性剤の洗浄系への利用は、通常、その親油基の炭素数が12から14のものが主で、それ以上鎖長が長いものは水に溶けにくくなります。
一方、それら炭素数が12から14の油脂原料の、総油脂原料に占める割合は、わずかに5%ほどで、その少ない流通原料を、原料ユーザーであるメーカーが競って入手しているのが実状です。
バイオIOSは、アブラヤシの実から食用のパーム油を採取する際の搾りカスを原料としています。パーム油は、世界で流通する天然植物油脂原料(1.9億トン/年、2017年度)の中で最も多く使用されている汎用の油脂です。そのパーム油を採取する際の搾りカスである長い炭素数の固体性状油脂は、その用途が限られていました。このたび、そのような油脂原料が、バイオIOSというファインケミカル原料として有効に活用できるようになりました。これまで、ほとんど使われなかった油脂原料を有効活用できるという意味からも、また、将来的には藻類から採れる油を活用できるという理由からも、次世代を担う極めてサステナブルな基剤といえます。
今後ますますの世界的人口増加に伴い、洗浄用途に使用される界面活性剤使用量のさらなる増大が見込まれます。そのような社会事情の中で、洗浄の課題を解決し、社会の要請に応え、貢献できる原料がすなわち、バイオIOSです。

今後の方針

このたび開発した花王史上最高の洗浄基剤「バイオIOS」は、衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」から実用化していきます。このバイオIOSの開発により、洗浄基剤としての大きな需要の可能性が見えてきましたが、今後はユニークな界面活性剤としての応用の可能性も広く探索していきます。特長あるグローバル界面活性剤として位置づけられるような研究を続け、いろいろな角度から連携を進めていく予定です。

お問い合わせ

花王株式会社 広報部

03-3660-7041~7042

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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