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お悩み相談室 Q&A

Q.更年期になり生理の量が増えました。ドバドバ大出血は閉経の前兆?

40代後半になってから、生理(月経)1日目から大量出血をするようになりました。日中も夜用ナプキンを使用しているのですが、それでもあふれ出ることがあり、職場でイスに座るのも不安です。これは更年期で閉経が近づいたサインなのでしょうか? よい対処法はありますか?(40代女性)

A.閉経前は月経の乱れが起こりやすくなります。子宮の病気が原因の場合も。

石山 尚子 先生の写真

<回答したスペシャリスト>
産婦人科医師・石山尚子先生

更年期に卵巣機能が衰えてくると、月経が乱れやすくなる

更年期に卵巣機能が衰えてくると、女性ホルモン(エストロゲンと黄体ホルモン)の分泌が不安定になり、月経も乱れやすくなります。
月経の乱れは、人それぞれ。最初は周期が短くなることが多いですが、周期が長くなることもあります。

また、周期の乱れだけでなく、経血量も変化し、少なくなることもあれば、貧血になるほどドバッと大量に出ることも。ご相談者のように大出血が起こる原因は、以下の2つが考えられます。

  • 一時的にエストロゲンの分泌量が増え、子宮内膜が通常より厚くなった。
  • 子宮内膜がうまくはがれずに厚くなり過ぎていたのが、急にはがれ落ちた。

とくに、子宮筋腫などがあって、もともと経血量が多めだった人は、更年期に大出血が起こりやすい傾向があります。

女性ホルモンと月経の関係

通常は女性ホルモンが働いて、以下のような月経周期が繰り返されています。

  1. 排卵に備えてエストロゲンの分泌が増え始め、子宮内膜が厚くなる。
  2. エストロゲンの分泌がピークになると排卵する。
  3. 黄体ホルモンの分泌が増え、妊娠に備えて子宮内膜が柔らかくなる。
  4. 妊娠しなければ、子宮内膜がはがれ落ち、月経として体の外に排出される。

子宮筋腫や子宮腺筋症が原因の場合も

子宮の病気が原因で経血量が増える場合もあります。気になる場合は、婦人科に相談しましょう。

  • 子宮筋腫が原因の場合
    子宮筋腫が大きくなったことが影響して過多月経になる人もいます。また、筋腫が小さくても、子宮の内側に突き出ていたり、子宮筋層の中にできていたりする場合は、大量の出血につながる場合があります。
  • 子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)が原因の場合
    子宮腺筋症では、子宮内膜に似た組織が、子宮筋層の中で増殖と剥離を繰り返すため、筋層がだんだん厚くなり、月経痛や過多月経を引き起こしやすくなります。

大量の出血は治療でコントロールできる。相談を

経血量があまりにも多いため、衣類にしみ出ていないか気になって仕事に集中できない、貧血になってしまうなど、日常生活に支障をきたすようであれば、我慢せずに婦人科に相談しましょう。

不安定になった女性ホルモンが原因の場合は、女性ホルモンをコントロールすることで、経血量を減少させることができます。その際に使用するのが、「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬」(いわゆる低用量ピル)、「黄体ホルモン製剤」、「子宮内黄体ホルモン放出システム」(子宮内に装着するタイプ)、「GnRHアナログ製剤(GnRHアゴニスト製剤、GnRHアンタゴスト製剤)」などがあります。いずれも月経困難症や過多月経に対して健康保険が適用される場合があります。
また、経血量が多かったり少なかったりバラつきがある場合、ホルモン補充療法(以下HRT)で出血の周期を規則的に整える方法もあります。
※プロゲスチンは人工的に合成した黄体ホルモン

低用量ピルとは?

ピルは卵巣から出る2種類の女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)の両方が入った薬で、服用すると排卵が抑えられ、子宮内膜を薄く保つことで出血を減少させることができます。月経困難症に対して健康保険適用内で処方される低用量ピルは、「LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)」と呼ばれるもの。「OC(経口避妊薬)」が使われる場合もありますが、こちらは自費になります。

子宮内黄体ホルモン放出システムとは?

柔らかいプラスチックでできたT字形のバーで、子宮内に挿入すると少しずつ黄体ホルモンを放出し続けるシステム(IUS)です。黄体ホルモンの影響で、子宮内膜は薄くなり、経血量は減少し、月経痛も緩和されます。定期的な検診は必要ですが、最長5年間入れたままにできます。

GnRHアナログ製剤とは?

女性ホルモンの分泌を抑えることで、月経を止め、一時的に閉経状態にします。GnRHアゴニスト製剤(点鼻薬や注射)と、GnRHアンタゴスト製剤(内服薬)の2種類があり、通常6カ月まで続けて治療できます。

ホルモン補充療法(HRT)とは?

急激に減少する女性ホルモンの変化をゆるやかにするために、少量の女性ホルモンを補う療法。補うエストロゲンの量は低用量ピルよりも少なく、飲み薬、貼り薬、塗り薬、腟剤などがあり、基本的に健康保険が適用されますが、医療機関・クリニックに予約を入れる際、HRTを実施しているかどうか事前に確認を。

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女性医療のスペシャリスト

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産婦人科医師
石山 尚子 先生
対馬ルリ子ライフクリニック銀座院長

富山医科薬科大学(現、富山大学)1996年卒。日本産婦人科学会専門医。2007年より対馬ルリ子ライフクリニック銀座に勤務。2021年より同院院長。女性がより快適に生活するための治療や対処法、セルフケアのアドバイスをわかりやすい言葉で丁寧に、を信条にされる女性医療(ウィメンズヘルス)のスペシャリスト。

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