(毛穴カバー)
肌には多くの毛穴やキメがあり、その表面は平らではありません。そのため、光があたる角度、見る角度によって、毛穴の影が目立ちやすくなることがあります(図1)。
また、ファンデーションなどで微細な凹凸までカバーしようとすると、ついメイクが厚塗りになり、不自然な仕上がりになることも懸念されます。
これらの課題の解決に向けて、ファインファイバー技術を応用した新たなベースメイク方法の評価を行ないました。その結果、顔全体の肌上に極細繊維がシート状の極薄膜を形成することで、どこから見てもなめらかで“毛穴レス”な肌の見た目を実現することが確認できました。
評価の手順は以下の通りです(図2)。
ファインファイバー膜がある場合とない場合のメイク後の肌について、花王が独自に開発した「Kirei肌AI」※でなめらかさの評価を実施。さらに独自に開発した測定装置でさまざまな角度から凹凸の目立ちやすさを解析したところ、肌の凹凸が目立ちやすい角度でも、ファインファイバー膜がある場合は毛穴などの凹凸が目立ちにくく、なめらかに見えることが示されました(図3、4)。
※2021年 花王ニュースリリースhttps://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2021/20211207-001/
また、化粧塗膜の状態を比較したところ、ファインファイバー膜がない場合、ファンデーションの粉体が凝集し、毛穴やキメに落ち込んでいるのに対して、ファインファイバー膜がある場合は毛穴落ちが見られず、非常に均一な塗膜状態であることが確認できました(図5)。
これらの成果を元に、今後、美顔器のような美容機器を用いた方法なども視野に、ファインファイバー技術を活用した新たなメイクアップ方法の研究を進めていきます。
本研究成果は、第87回SCCJ研究討論会(2021年12月3日)にて発表しました。