ファインファイバーの技術を最大限活用して美容だけではなく治療領域にまで広げていくためには、ファインファイバー膜の肌への本質的な作用を研究する事が不可欠です。研究の結果、ファインファイバー膜が、肌表面の水分蒸散を制御して、角層のもととなるタンパク質の発現量に影響を与えている事を花王で初めて明らかにしました。
すなわち、この膜を肌に使用することにより、角層内で肌を良好な状態に導く複数のタンパク質種の発現が短期間で増加すること、および、乾燥した肌の見た目が早期に改善することが明らかになりました。
この研究内容は、日本香粧品学会第44回年会、日本プロテオーム学会2019大会、さらに第25回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)ミラノ大会で発表しました。
ファインファイバー(FF)と水分蒸散制御製剤を併用したグループは、使用開始前に対して連用7日後に、NMF(天然保湿因子)の原料の産生を促進するタンパク質(CAPN1、BLMH)が製剤のみよりも増加しました。
また、連用7日目に対して14日後には、NMFの産生を促進するタンパク質(GGCT、HAL、ARG1)の増加が促進され、さらに肌のバリア機能に深く関与するラメラ顆粒の産生を促進するタンパク質(SBSN)も、特異的に増加することを確認しました。