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花王 ファインファイバーについて

Fine Fiber Technology

Fine Fiber Technology

Fine Fiber Technology

一本の糸から肌の未来へ。
ファインファイバーテクノロジー

極細繊維が肌に吸い付くように積み重なり
ぴたりと纏う、極薄の膜。
 
大胆な発想から生まれた
花王の「ファインファイバー技術」は、


肌の湿潤環境を整えるスキンケアにとどまらず
より美しく魅せるためのカバーメイクや
プロフェッショナルの手で施すアートメイク、
さらには美容にとどまらない分野への挑戦など
唯一無二の進化を続けています。

熱い想いが繋いだ技術 ファインファイバーはどのようにして生まれたのか、開発者たちの想いからその物語を紐解いていきます。「#003 ファインファイバー 花王のイノベーションは、“異なる分野の研究者同士の連携”で生まれる。」へ遷移します

熱い想いが繋いだ技術 ファインファイバーはどのようにして生まれたのか、開発者たちの想いからその物語を紐解いていきます。「#003 ファインファイバー 花王のイノベーションは、“異なる分野の研究者同士の連携”で生まれる。」へ遷移します

熱い想いが繋いだ技術 ファインファイバーはどのようにして生まれたのか、開発者たちの想いからその物語を紐解いていきます。「#003 ファインファイバー 花王のイノベーションは、“異なる分野の研究者同士の連携”で生まれる。」へ遷移します

ファインファイバーのしくみ

花王の技術が詰まったファインファイバーは、手のひらサイズの小型デバイスを用いて、肌表面に極細繊維を直接吹き付けてつくり出します。なじませると肌と見分けがつかないほど自然で、透明で薄く、しなやかなその膜は、”未来の肌”とも呼ばれています。

膜を形成するしくみ


1 紡糸-肌に直接繊維を吹き付ける独自技術-

1 紡糸-肌に直接繊維を吹き付ける独自技術-

1 紡糸-肌に直接繊維を吹き付ける独自技術-

極細繊維が引き出される様子

ファインファイバーは、花王が開発した“繊維を肌に直接吹き付ける技術”を採用しています。「エレクトロスピニング法」の応用で、デバイスにセットした紡糸液(ポリマー溶液)が直径1μm未満(髪の毛の約100分の1の細さ)の極細繊維状に引き出され、肌表面でまたたく間に重なり合います。​
紡ぎ出された糸は一本につながっており糸自身が静電気を帯びているため、空気中に繊維が漂うことはなく、すみやかに肌に付着します。

2 膜構造-軽く、やわらかい極薄膜の正体とは?-​

2 膜構造-軽く、やわらかい極薄膜の正体とは?-​

2 膜構造-軽く、やわらかい極薄膜の正体とは?-​

ファインファイバーの膜の拡大画像

ファインファイバーの膜を拡大すると、一本の極細繊維が重なり合った立体構造をしています。この積層型の極薄膜の90%は“穴”(すきま)で、この多孔質の構造により強い「毛管力」がはたらき、併用する製剤などの液体を吸い上げて保持することができます。
また、繊維のすき間から水蒸気を通すため、肌を完全に閉塞することなく、適度な透湿性も保つことができます。

エレクトロスピニング法とは

エレクトロスピニング法とは

エレクトロスピニング法とは

静電気の力で極細の糸を紡ぎ出す技術

「電界紡糸法」とも呼ばれるエレクトロスピニング法は、マスクなどの不織布の製造に用いられている静電気の引力を利用した技術です。プラスの電気を帯びた高分子溶液を、マイナスの電気を帯びた対象物(ファインファイバーの場合は肌)の表面に向けて噴射することで、溶液があたかも蚕が繭を紡ぐように糸状に引き伸ばしながら繊維化され、対象物の表面で幾層にも重なり合って膜を形成します。

静電気の力で極細の糸を紡ぎ出す技術の原理

エレクトロスピニングの原理

ファインファイバーの
皮膚上の構造について


ファインファイバーは一般的な不織布とは異なり、肌に自然になじみ、皮膚上に吹きつけると皮膚の凹凸が見えにくくなります。この極薄膜は、軽く、やわらかく、自然で、さらにその優れた毛管力により、さまざまな製剤を、肌表面にしっかりと保持・均一化するとともに、適度な透湿性を保つことができます。

一般的な不織布中の繊維表面(左)とファインファイバー膜中の繊維表面(右)を比較した画像。  ファインファイバーの各物性と一般的な繊維の各種物性を比較すると曲げ剛性(柔らかさ):1億倍、重量単位長さ(長さ):1万倍、比表面積(広がり):100倍、毛管力(液の引き込み):100倍

一般的な不織布中の繊維表面(左)とファインファイバー膜中の繊維表面(右)を比較した画像。  ファインファイバーの各物性と一般的な繊維の各種物性を比較すると曲げ剛性(柔らかさ):1億倍、重量単位長さ(長さ):1万倍、比表面積(広がり):100倍、毛管力(液の引き込み):100倍

一般的な不織布中の繊維表面(左)とファインファイバー膜中の繊維表面(右)を比較した画像。  ファインファイバーの各物性と一般的な繊維の各種物性を比較すると曲げ剛性(柔らかさ):1億倍、重量単位長さ(長さ):1万倍、比表面積(広がり):100倍、毛管力(液の引き込み):100倍

一般的な不織布の例としてマスクに使用される繊維(左)とファインファイバー(右)との比較。
肌に見立てた人工皮革との接触面を拡大して撮影。
ファインファイバー膜の方が、密着性が高く、毛管力により製剤を均一に保持することができる。

膜になった
ファインファイバーの特徴と
その機能


膜になったファインファイバーの6つの特徴 透明、柔軟、防御、変形、透湿、吸液​

膜になったファインファイバーの6つの特徴 透明、柔軟、防御、変形、透湿、吸液​

膜になったファインファイバーの6つの特徴 透明、柔軟、防御、変形、透湿、吸液​

1透明、2柔軟 はがれにくく見た目も自然

“ふち”に向かって薄くなるエッジレス構造(右図)により、膜と肌との段差が極めて少なくなっています。肌との境目が見えにくいだけでなく、はがれにくく見た目も自然です。

形成シートを貼り付けた肌とファインファイバーを直接吹き付けた肌の比較

3防御、4変形 からだの凹凸や動きにフィット​

曲げ伸ばしの多い部位にも自然になじみ、からだの3次元形状に対応して皮膚の動きに追従します。また、表面をなめらかにみせる性質もあります。

5透湿、6吸液 皮膚を閉塞せず高い「毛管力」で製剤を保持

ティッシュが水を吸い上げるよりも早く製剤を吸い込み、重力や上下左右に関係なく膜全体に均一に広がります。

ファインファイバー技術の応用研究


スキンケア1(明るさ・ツヤ) 肌表面の水分蒸散を抑え、肌の湿潤環境を高める

スキンケア2(大気汚染物質〔汚れ〕など) フィルターのような役割で、外的ダメージから肌を守る

メイクアップ1(シミカバー)極薄膜で色差やキメの乱れを均一に整え、自然にカバー

メイクアップ2(毛穴カバー)極薄膜でどこから見てもなめらかな”毛穴レス肌”を実現

からだ


ボディメイク 美容のプロの手で、美しく快適なボディメイクアップを

アートメイク(ボディペイント) 素肌美の追求だけでなく、アーティスティックな表現も可能に

新しいニーズ


新しいニーズへの挑戦として、あざや傷あとを隠すカバーメイク(アピアランスケア)などへの応用も視野に研究を続けています。​ 
​*アピアランスケア:患者の生活の質(QOL:Quality of life)を低下させる要因となる外見(アピアランス)の変化に対するケアの総称

ニキビ(カバーメイク) プロ専用の機器を用いた、カバーメイクの新たな可能性

FAQ よくあるご質問

Q.ファインファイバー開発のきっかけは何ですか?

A.おむつや生理用品などには、古くから不織布(繊維を織らずに絡み合わせたシート)が使用されています。花王の繊維研究の中でも繊維が細くなればなるほど、シートのやわらかさや感触、密着性というさまざまな性能が桁違いに変わることはわかっていましたが、反面、非常に薄く扱うのが難しい側面もありました。誰でも簡便に扱える方法として、「肌に直接吹き付けることができないか」という新たな発想をきっかけに、工場で使用されている大きな機器から、手のひらサイズの小型デバイスを開発し、肌の上に直接紡糸して膜を形成することを可能にしてファインファイバー技術が誕生しました。

Q.この膜は何でできているのですか?

A.ファインファイバーは、肌に適用することを想定しているため、水や汗、皮脂などに強い高分子(ポリマー)を使用しています。一般的に、この技術(エレクトロスピニング法)自体は、水に溶けやすいもの、水に溶けにくいものなど、用途に応じてさまざまな原料から繊維を作ることが可能です。

Q.ファインファイバーは、なぜ肌に付着するのですか?

A.ファインファイバーは静電気の力で糸を紡ぐ技術(エレクトロスピニング法)を応用しています。この技術で作られた糸は、糸自身が静電気を帯びた(帯電)状態のため、電気を通しやすい対象物を選んで付着します。水分を多く持つ人体(肌)は電気を通しやすいため、肌に吸い付くように付着します。​

Q.噴霧したファインファイバーは、一本でできているのでしょうか?

A.これまでの観察結果からもファインファイバーは1本の糸が連続して繋がっていることが確認されています。何らかの原因により途中で切れた場合でも、繊維自身が帯電していますので、浮遊し続けることはなく、すみやかに対象物(肌)に付着します。

Q.肌を覆っても大丈夫でしょうか?

A.ファインファイバー膜は多孔質で、約90%が空隙(すきま)になっているため、皮膚を閉塞しすぎることはありません。また、極細繊維からできているため非常にやわらかく、肌を覆っても肌の柔軟性は損ねません。

Q.どのようにしてファインファイバー膜を取り除くことができるのでしょうか?

A.ファインファイバー膜は、肌と一体化したように見えますが、剥がすことができるユニークな技術です。汗や水、皮脂など日常の生活場面では密着性を持続できるよう工夫していますが、不要な場面では膜の端から剥がすことで簡単に除去することができます。

Q.特許を取得していますか?

A.複数の特許を出願済みで、そのうちのいくつかはすでに権利化されています。

Q.今後どのような分野へ応用される可能性がありますか?

A.将来的には、レーザー治療後のケアや、損傷を伴う皮膚疾患に対しての治療貢献など医療領域への応用も視野に入れています。
また、痣(あざ)や傷あとなどを隠すカバーメイクなど、生活の質(QOL:Quality of life)の向上につながるケアの分野にも貢献したいと考えています。

研究成果を未来の価値へ

医療領域に向けた最新基盤研究

目元周囲へのアプローチ

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