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メイクアップ 2

(毛穴カバー)

極薄膜でどこから見てもなめらかな
“毛穴レス肌”を実現


肌には多くの毛穴やキメがあり、その表面は平らではありません。そのため、光があたる角度、見る角度によって、毛穴の影が目立ちやすくなることがあります(図1)。
また、ファンデーションなどで微細な凹凸までカバーしようとすると、ついメイクが厚塗りになり、不自然な仕上がりになることも懸念されます。

正面(左)および斜め前方(右)  の、異なる角度から見たメイク後の肌の半顔および毛穴の拡大画像

正面(左)および斜め前方(右)  の、異なる角度から見たメイク後の肌の半顔および毛穴の拡大画像

正面(左)および斜め前方(右)  の、異なる角度から見たメイク後の肌の半顔および毛穴の拡大画像

図1. 異なる角度から見たメイク後の肌のなめらかさの違い

これらの課題の解決に向けて、ファインファイバー技術を応用した新たなベースメイク方法の評価を行ないました。その結果、顔全体の肌上に極細繊維がシート状の極薄膜を形成することで、どこから見てもなめらかで“毛穴レス”な肌の見た目を実現することが確認できました。
 
評価の手順は以下の通りです(図2)。

ファインファイバー技術を応用した新たなベースメイク方法の評価の手順​  ​  1 スキンケア・UV製剤の散布​  2 メイク専用製剤の散布​  3 ファインファイバー膜の形成​  4 ファンデーションの塗布​  5 化粧品・化粧塗膜の評価​

ファインファイバー技術を応用した新たなベースメイク方法の評価の手順​  ​  1 スキンケア・UV製剤の散布​  2 メイク専用製剤の散布​  3 ファインファイバー膜の形成​  4 ファンデーションの塗布​  5 化粧品・化粧塗膜の評価​

ファインファイバー技術を応用した新たなベースメイク方法の評価の手順​  ​  1 スキンケア・UV製剤の散布​  2 メイク専用製剤の散布​  3 ファインファイバー膜の形成​  4 ファンデーションの塗布​  5 化粧品・化粧塗膜の評価​

図2. ファインファイバー技術を応用したメイクの評価手順

ファインファイバー膜がある場合とない場合のメイク後の肌について、花王が独自に開発した「Kirei肌AI」でなめらかさの評価を実施。さらに独自に開発した測定装置でさまざまな角度から凹凸の目立ちやすさを解析したところ、肌の凹凸が目立ちやすい角度でも、ファインファイバー膜がある場合は毛穴などの凹凸が目立ちにくく、なめらかに見えることが示されました(図3、4)。 

※2021年 花王ニュースリリースhttps://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2021/20211207-001/

ファインファイバー膜なし(上段)、ファインファイバ膜あり(下段)のメイク仕上がりを、肌の凹凸の目立ちやすい、斜め前方から撮影した顔写真および 花王が独自に開発した肌評価AIで肌の滑らかさを評価した結果​

ファインファイバー膜なし(上段)、ファインファイバ膜あり(下段)のメイク仕上がりを、肌の凹凸の目立ちやすい、斜め前方から撮影した顔写真および 花王が独自に開発した肌評価AIで肌の滑らかさを評価した結果​

ファインファイバー膜なし(上段)、ファインファイバ膜あり(下段)のメイク仕上がりを、肌の凹凸の目立ちやすい、斜め前方から撮影した顔写真および 花王が独自に開発した肌評価AIで肌の滑らかさを評価した結果​

図3. 肌の凹凸の目立ちやすい角度から撮った写真およびAIによる解析結果

ファインファイバー膜なし、およびファインファイバー膜ありの化粧肌をさまざまな角度からの撮影した画像と、各画像の凹凸目立ち具合を定量化したグラフ。 光の入射角を肌の鉛直面に対し50度に設定し、反対側の20‐50度の10度ごとの撮影​

ファインファイバー膜なし、およびファインファイバー膜ありの化粧肌をさまざまな角度からの撮影した画像と、各画像の凹凸目立ち具合を定量化したグラフ。 光の入射角を肌の鉛直面に対し50度に設定し、反対側の20‐50度の10度ごとの撮影​

ファインファイバー膜なし、およびファインファイバー膜ありの化粧肌をさまざまな角度からの撮影した画像と、各画像の凹凸目立ち具合を定量化したグラフ。 光の入射角を肌の鉛直面に対し50度に設定し、反対側の20‐50度の10度ごとの撮影​

図4. さまざまな角度から撮った肌の凹凸の写真およびその目立ちやすさの解析結果

ファインファイバー膜が、
ファンデーションの毛穴落ちを防ぐ

また、化粧塗膜の状態を比較したところ、ファインファイバー膜がない場合、ファンデーションの粉体が凝集し、毛穴やキメに落ち込んでいるのに対して、ファインファイバー膜がある場合は毛穴落ちが見られず、非常に均一な塗膜状態であることが確認できました(図5)。
これらの成果を元に、今後、美顔器のような美容機器を用いた方法なども視野に、ファインファイバー技術を活用した新たなメイクアップ方法の研究を進めていきます。 
 
本研究成果は、第87回SCCJ研究討論会(2021年12月3日)にて発表しました。

ファインファイバー膜なし、およびファインファイバー膜ありの化粧肌の毛穴およびキメ部の拡大画像とイメージ

ファインファイバー膜なし、およびファインファイバー膜ありの化粧肌の毛穴およびキメ部の拡大画像とイメージ

ファインファイバー膜なし、およびファインファイバー膜ありの化粧肌の毛穴およびキメ部の拡大画像とイメージ

図5. ファインファイバー有無による化粧塗膜の違い

ファインファイバー
技術の応用研究

スキンケア1(明るさ・ツヤ)

スキンケア2(大気汚染物質〔汚れ〕など)

メイクアップ1(シミカバー)

メイクアップ2(毛穴カバー)

ボディメイク

アートメイク(ボディペイント)

ニキビ

研究成果を未来の価値へ

  • 医療領域に向けた最新基盤研究

  • 目元周囲へのアプローチ

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