
低温印刷でCO₂削減と印刷対応素材の拡大に貢献

トナーと呼ばれる粉状のインクを用いる「レーザープリンター印刷」のエネルギー使用量を大幅に低減する技術。従来は、印刷機の中で高温で溶かして紙などに定着する必要があったトナーを、熱応答性の異なる材料を用いたコアシェル構造でカプセル化。これにより保存安定性を保ちながら、印刷時の低温融解を実現。省エネルギー化やCO₂排出量の削減、熱に弱いフィルムやラベルなど幅広い媒体への印刷に貢献する。
トナーの品質課題は、輸送中のコンテナや保管中の倉庫内の温度では溶けださず、粒子が凝集しないこと。このため従来は、印刷機内の高温(170℃以上)の加熱ロールで初めて溶けるように過剰な安定性を施されていた。

そこで顔料を含む低融点のコア(核)を高耐熱性のシェル(殻)で包んだ“コアシェル“構造を開発。シェルが輸送中・保存中の凝集を防ぐ。

印刷時にシェルは簡単に潰れ、コアの中に分散している熱応答性材料が低温で(100℃以下)で瞬時に融解、広がってトナー中の顔料を定着させる。

花王ケミカル 多様な印刷を可能とする環境配慮型次世代トナー
https://chemical.kao.com/jp/digital-printing-materials/lunatone/