花王グループの歴史

ひとつの石けんへの品質のこだわりから始まった花王は、
いつもお客さまに寄り添いながら、豊かな生活文化の実現をめざしてまいりました。
そんな花王の歴史を、5つの視点でご紹介します。

創業1887年
豊かな生活文化の
実現をめざして

本当によいものを、 多くのお客さまに届けたい。
創業者・長瀬富郎のそんな強い想いは、“よきモノづくり”の精神として130年もの間受け継がれてきました。

顔も洗える品質のよい
国産石けんを

1887
花王の創業者・長瀬富郎は、洋小間物商・長瀬商店を設立。
これがのちの花王の母体となりました。


1890
国産の高級化粧石けん「花王石鹸」を発売。

質の悪い国産石けんか、高価な輸入石けんしかなかった当時、富郎は、買い求めやすい価格で顔も洗える品質のよい国産石けんをつくりたいという強い想いから、国産石けんの開発に着手しました。富郎自らも必要な化学知識、香料や色素の調合ノウハウを身につけ、開発に取り組みました。

「花王石鹸」のパッケージ

顔も洗える高品質の国産石けん誕生への想いを込め、当時、化粧石けんが「顔洗い」と呼ばれていたことから「カオ(顔)石鹸」と名づけ、「花王」という文字をあてました。
これが社名の由来となりました。

「花王石鹸」能書(分析証明書)

品質を客観的に証明することにもこだわりました。薬学博士などに石けんの分析を依頼し、その分析証明書と推薦文を桐箱に同封したのです。今でこそ安全、安心、高品質の保証は当たり前の時代ですが、この当時の日本で消費者に向けて「品質保証」を示すというやり方は例を見ない画期的なものでした。

使ってもらってこそ、
よさがわかる。
画期的な戦略で
「花王石鹸」を広めた

(左)鉄道沿いに掲げられた野立看板
(右)赤坂の名妓を起用したポスター(1910年頃)

「よいものは、広く知られ、買って使ってもらってこそ、はじめてそのよさがわかる」という信念のもと、富郎は、広告や販売でも画期的な取り組みを行ないました。広告では、新聞広告の積極的な活用や、名妓を起用したポスターの制作、まだ珍しかった鉄道沿線での野立看板の掲示を試みるなど、独創的な広告宣伝活動を積極的に展開しました。また、販売では、国内でもほとんど例のなかった全国販売を実現。このようにして、「花王石鹸」は全国に広まり、人々の暮らしに浸透していきました。 

創業者が遺した言葉
「天祐ハ常ニ道ヲ正シテ待ツベシ」

遺言状

富郎が家族に託した遺言状には、「天祐ハ常ニ道ヲ正シテ待ツベシ」とあります。常に道徳にのっとって誠実に行動し、 それによって消費者の支持と信頼を得るように、と促した言葉でした。
この考え方は、「正道を歩む」として、今なお、花王の企業理念「花王ウェイ」に掲げられ、社員の指針となっています。

創業時からこだわってきたのがお客さまの声に耳を傾ける「消費者起点」。
1930年代からは、お客さまとの対話を重ねてよりよい生活文化を提案し、
1970年代には、お客さまの声を最大限に活かす組織やしくみを構築しました。

お客さまと直接対話し、
よりよい暮らしを
お届けする

1934
「お客さまのことをもっと知り、よりよい暮らしを提供したい」との想いから、「家事科学研究所(1937年に長瀬家事科学研究所と改名)」を設立。科学的で合理的な家事を研究し、発表会、講習会、座談会、映画会などで発信しました。それは同時にお客さまとの直接対話の機会でもありました。また、機関誌「家事の科学」(1937年)を通じて、当時の日本に新しい生活文化を提案していきました。

直接対話・交流を通じて得られた、お客さまの声を企業活動に反映し、商品の開発や改良に結びつける花王の「消費者起点」の考え方は、現在も引き継がれています。

お客さまの声を
最大限に活かすために

1954
消費者相談を開始。すべての相談は関連部門に回覧し、お客さまの声を活かすしくみをつくり上げました。

 
1971
消費者関連の専門部門として「花王生活科学研究所」を設立。相談対応、啓発、家事研究について活動を強化し、消費者対応の充実化をめざしました。

 
1978
消費者相談情報システム(通称・エコーシステム)を導入。お客さまからの苦情や問い合わせなどをデーターベースに蓄積し、お客さまへの迅速な対応を実現するとともに、全社でお客さまの声を解析し、その情報を新たな製品開発につなげることをねらいとしました。

2017
年間に寄せられる声は、日本国内では約22万件。部門を超えて担当者が共有することができ、さまざまな立場で情報が活用されています。
また、国を超えて、花王グループに寄せられるお客さまの声を一元的に集約できるしくみや体制を整備し、グローバルな品質向上活動に活かしています。

1991年、きざみのついたシャンプーが市場に初登場

目をつぶっていても、目が不自由でもシャンプーとリンスの区別がつく「きざみ」を入れたボトル。お客さまの声から生まれたこの工夫は、日本国内はもとより、国際的な業界の標準ともなっています。

事業領域は「美」や「健康」の分野へと大きく広がり、多くのロングセラーブランドが誕生。
その背景には、優れた研究開発の力がありました。

1950~1960年代
髪や衣類、住居にまで
“洗う”を広げる

石けんからスタートした花王ですが、石けんだけでは落とせない汚れをなんとかしたいとの想いから、原料にまでさかのぼった研究に力を注ぎました。1950年代、天然油脂アルコールを中心とした技術を新たに開発。それが髪や衣類、住居など、さまざまな汚れを落とす製品の誕生につながり、ひとつの石けんから始まった花王の事業は、大きく飛躍しました。

1951 衣料用洗剤「花王粉せんたく(ワンダフル)」
1955 「花王フェザーシャンプー」
1958 台所用洗剤「ワンダフルK」
1960 住居用洗剤「マイペット」 

1970~1980年代
“人”の研究をもとに、
美や健康の分野にまで
拡大

1970年代、花王は皮膚や毛髪など、人に関する基礎研究に力を入れ、新たに獲得したバイオ、紙、高分子技術を既存の技術と融合させることにより、美や健康にも大きく分野を広げ、多くのロングセラーブランドを誕生させ、事業の多角化を図りました。

1978 生理用ナプキン「ロリエ」
1980 洗顔料「ビオレ洗顔フォーム」
1982 基礎化粧品「ソフィーナ」
1983 炭酸入浴剤「バブ」
1983 ベビー用紙おむつ「メリーズ」
1984 全身洗浄料「ビオレU」
1987 コンパクト衣料用洗剤「アタック」

新たな分野を切り拓いた研究開発力

1976年に「研究開発本部」を設立。改めて、研究開発を経営の根幹に据えました。
製品開発の関係者が一堂に会する「R&D会議」は、いち研究員であっても経営トップと議論ができる自由闊達な場となりました。研究所は仕切りを取り払った大きなワンフロアで、分野を超えた意見交換が活発に行なわれ、新しい事業の創出につながりました。
清潔から美や健康へ、事業がさまざまな分野に広がったことを受けて、1985年、社名を「花王石鹸(株)」から「花王(株)」に変更しました。

(左)肌の生理機能研究(1978年設立「栃木研究所」) (中央)「R&D会議」の様子 (右)大部屋制で風通しをよく

日本で生まれたブランドは、アジアの国々でも拡大し、現地の暮らしに密着した製品も生まれました。
欧米では、特長あるビューティケアブランドが花王グループの仲間に加わりました。

1960年代~ 
アジアへの拡大
現地の生活に密着した製品開発も

花王のコンシューマープロダクツ事業は、タイへの輸出から始まりました。1964年には初の海外現地法人となる花王インダストリアル(タイランド)社、台湾花王社を設立。以降、アジアでは現地での生産と販売をメインに事業を展開しています。

1964 花王インダストリアル(タイランド)社設立、台湾花王社設立
1965 シンガポールにマレーシア花王社設立 (1973年花王(シンガポール)社に改称)
1970 花王(香港)社設立
1973 花王(マレーシア)社設立
1985 ディノ インドネシア インダストリアル社に資本参加
1993 上海花王社設立
1996 花王ベトナム社設立

近年には、現地の生活スタイルに合わせた製品の開発を手がけるようになっています。 たとえば、2014年、インドネシアで発売した「アタック Jaz1」。多くの家庭が手洗いで洗たくを行なっている現状を踏まえ、現地の水は硬度が高く、衣類の汚れが落ちにくいという課題を解決するため、新技術を開発。優れた洗浄力を発揮する洗剤の開発に成功しました。

1980年代~ 
欧米への拡大
特長あるビューティケアブランドが仲間入り

1980年頃から、欧州や米国で展開する特長あるビューティケアブランドが花王グループの仲間に加わりました。数々のブランドの強みや世界観を活かしながら、花王の技術を投入し、高次元での融合、シナジー効果を追求しています。

1979 グール コスメティック社(独:ヘアケアブランド)
1988 アンドリュージャーゲンズ社(米:スキンケアブランド)
1989 ゴールドウェル社(独:サロンへアケアブランド)
2002 ジョン フリーダ社(英:プレミアムヘアケアブランド)
2005 モルトンブラウン社(英:ラグジュアリーライフスタイルブランド)
2006 カネボウ化粧品(日:コスメティクスブランド)
2018 オリベヘアケア社(米:スーパープレミアムヘアケアブランド)

豊かな生活文化が未来に続いていくように、花王は環境への負荷を低減する取り組みを続けています。

1987~
衣料用洗剤のコンパクト化
1987年に、少量でも洗浄力が高いコンパクト衣料用洗剤「アタック」を開発。容器に使う紙の量を減らすとともに、輸送時のエネルギーの削減に成功しました。

1991~
つめかえ容器を開発、推進
容器を繰り返し使用できるよう、つめかえ・つけかえ用製品を開発し、切り替えを積極的に推進、プラスチック量を削減してきました。
また、つめかえやすさを追求し、さまざまな改良を加えています。

つめかえ・つけかえ用製品への切り替えとプラスチック量の削減

2000〜
花王・みんなの森づくり活動
国内で身近な緑を守り、育てる活動と、身近な緑を活用し、子どもたちが地域の緑とふれあう機会を創出する活動を行なっています。花王の国内事業所近郊の団体の活動には、社員が参加することもあります。

2009
使用時の水や電気を節約
衣料用超コンパクト液体洗剤 「アタックNeo」発売
高い洗浄力を実現しながら、洗剤の泡切れをよくして、洗濯機のすすぎ回数を、それまで標準だった2回から1回に減らすことで、使用時の水や電力を削減する提案をしました。この年、花王は環境宣言を行ない、さらに環境に配慮したモノづくりに取り組む姿勢を示しました。

2012~
中国における環境保護活動
中国政府の環境保護活動と協働し、節水や水資源の大切さを喚起。一般市民に向けた啓発活動を行なうほか、中国全土にある大学の環境保護サークルと一緒に、環境保護活動の啓発や普及に努めています。

大学での環境保護活動


社会を支える
エコケミカル

花王は、工業用製品でもエコに取り組んでいます。
古紙再生や環境に負荷をかけない工事、オフィスでの省エネやエコタイヤなど、
さまざまな分野でエコに貢献しています。
 

古紙からインクを取り除いて再生紙をつくる「脱墨剤」

コンクリートの粘度を高める「コンクリート用増粘剤」。粘度の高いコンクリートが水中でも分散しにくくなるので、港や堤防、橋などの建設工事で水が汚れるのを防ぎます。

低い温度で紙に定着させることができる粉末インク「低温定着トナー」。複写機の消費電力を減らします。 

エコな低燃費タイヤの原材料であるシリカを、ゴムの中に均一に分散させる「分散性向上剤」

作業環境を改善、地球環境への負荷を低減し、紙にはもちろんフィルムにも印刷できる「水性インクジェット用顔料インク」。世界で初めて開発しました。

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