2019年12月26日
~科学技術の未来を担う次世代の人材育成を支援~
花王は、高校生の理科教育の質の向上に貢献するため、「高校生科学技術チャレンジ(JSEC)」(主催:朝日新聞社、テレビ朝日)に協賛し、毎年優れた作品に花王賞、花王特別奨励賞を贈呈しています。2005年の第3回から協賛を始め、2016年からは、特別協賛社として、さらに力を入れた支援を行なっています。
JSEC2019では、全国142校の高等学校から267の研究作品の応募がありました。その中の32作品が、予備審査、大学教授など専門家が審査する一次審査を通過し、12月14日、15日に日本科学未来館(東京都江東区青海)で行なわれた最終審査会に進みました。
12月14日は、専門審査のあと、参加した生徒と教員の皆さんに対し、協賛企業による特別セミナーを実施しました。
花王は、研究員より「サステナブルな界面活性剤 バイオIOS」について発表しました。そのほかの協賛企業である、JFEスチール株式会社と栗田工業株式会社からは、研究内容や企業における研究員の働き方などをご紹介いただきました。
12月15日は、最終審査が行なわれ、審査委員として花王からも研究員が参加し、各賞を決定しました。
審査では、高校生自らが研究内容について、ポスター発表形式でプレゼンテーションを行ないました。いずれも専門性がとても高く、熱のこもったすばらしい研究内容でした。
花王賞は、風力発電風車の翼にプラズマアクチュエータを応用することで、課題である気流剥離の減少を抑制して発電量を増加させた、福島県立福島高等学校の石川悠さん、横山佳観さんの研究作品に贈呈しました。
また、花王特別奨励賞は、スナヤツメの幼生が胴体ではなく唇を左右に変形させて泥中を進む現象を世界で初めて発見、それをLip Swayと命名し、進化的側面から考察を加えた、鳥取県立鳥取西高等学校の松本生成さん、久野伊織さん、田中宏紀さん、加えて、透明な半球容器に光の帯が現れる現象が、媒質によって変化することを反射・屈折挙動から明らかにし、これを利用して簡便な屈折率測定法を開発した、熊本県立宇土高等学校の窪田瑛仁さん、吉野泰生さん、四海成々実さんの2作品に贈呈しました。
花王の研究員による特別セミナーの様子
高校生による専門性が高い、熱のこもったプレゼンテーション
花王賞を受賞した福島県立福島高等学校の皆さん
JSECの上位入賞者は、米国で行なわれる「国際学生科学技術フェア(ISEF)」へ派遣されます。また、花王では、花王賞、花王特別奨励賞の受賞校をお招きし、研究施設の見学や研究員との交流を図るスタディツアーを開催する予定です。
若きサイエンティストの皆さんが、このような交流の場をさらなる飛躍の機会として活用し、視野を広げ科学技術の未来を切り拓いていくと共に、よりよい社会へと変えていく力となることを期待しています。