第8回コンテスト(2017年) 審査風景・審査員総評・表彰式

審査風景

8回目となる今回の絵画コンテストには、41カ国・地域から11,048点(国内861点、海外10,187点の作品の応募がありました。
まず花王のデザイナー17名が、1万点を超える全作品を審査し、その中から選ばれた約400点について、2017年10月23日に本審査を行ないました。芸術や環境分野に造詣が深い審査員7名による厳正な審査の結果、「“いっしょにeco”地球大賞」1点、「“いっしょにeco”花王賞」8点、「優秀賞」23点を決定しました。

オマーンやブラジルなど、5カ国から初めての応募があり、多様な文化に育まれた子どもたちの作品で彩られた今年のコンテスト。作品を選ぶうえで大切にしたのは、「地球環境に対する改善への願いや発想が感じられるか」「世界の環境問題を考えるうえで新鮮な視点を与えてくれるか」などです。審査員の皆さんは真剣なまなざしで一枚一枚を丹念に見つめ、子どもならではの素直な表現に感心したり、着眼の鋭さに驚いたりしながら意見を述べ合い審査を進めていきました。

予備審査の様子

予備審査の様子

本審査の様子

本審査の様子

審査員の総評

【益田 文和 先生】
(審査委員長、元 東京造形大学 教授)

コンクールを始めた当初、主催者側の思いを子どもたちに代弁してもらうようなことはやめようと決めていたが、作品を見るとそんな心配は必要ないことがすぐにわかった。子どもたちは大人の意図するところを飛び越えて、我々が思いもつかない鋭い視線と表現力で感じたことを素直に描く。近年の上位賞は非常にポジティブなテーマが多く、目先の環境改善対策に取り組むだけでなく、ずっと先を見て環境と調和する暮らしを考えていこうとする、時代の気づきを先取りしているかのようだ。作品に出てくるような未来が実現されることを願う。

【大久保 澄子 先生】
(美術家)

今回も子どもたちの絵の力強さや作品に潜むメッセージ性の強さに感動した。何ごとも深く考え過ぎてしまいがちな大人と違って、ストレートに表現する感性や感覚はすばらしい。開催を重ねた近年はとくにコンクールの意図を理解し、しっかりと自然環境保全のメッセージを伝える作品が増えてきているように思う。作品の構想を練る過程で考えてきたことが実を結びつつあるのではないか。温暖化の影響が顕著に表れている南極や、水を汲みに何キロも歩く発展途上国など目をつぶってはいけない問題はたくさんある。グローバルに視野を広げてメッセージを投げかけていくことも考えていきたい。

【松下 計 先生】
(東京藝術大学 教授)

毎年独自の視点を持った作品や新しい感性に出会えることをうれしく思う。私が作品に期待することは自由な発想と多様性。その点で、今年も受賞した上位数点は非常に興味深く拝見した。一方、より独自性を持った作品を応募していただけるように、私たちも偏った目線にならず、さまざまな価値観を想像しながら選考していかなければならないと感じた。時代の変遷とともにエコの意味は変わってきている。環境汚染による途上国の問題など、視野を広く持って環境保護をより深く考えるきっかけになればうれしい。

【オヤマダ ヨウコ 先生】
(イラストレーター)

今年も作品のレベルが上がった。応募国も増えており、コンテストがよい方向に向かっているように感じている。たとえば、日本に住む私が水際のカエルだとしたら、木の上のリスや砂漠のサソリ、海に住むウミガメ、北極の白クマたちがどういった暮らしをしているのかはわからない。人間も同じで、言葉が通じないなかで、互いを知るための唯一の手段が絵だ。だから私は一つでも多くの国、一人でも多くの子どもたちに、身近な動物のとなりにいる自分を描き、国境を越えて互いを理解してほしいと思っている。これが、8回目を迎えた今も変わらぬメッセージだ。

【アンドレアス・シュナイダー 先生】
(デザイナー)

今回初めて審査員として参加させていただき、子どもたちの作品から学ぶことの多さに大変驚いた。審査する上で大切にしたのは、作品の土台となるストーリー性である。テーマが似てしまう作品もある中で、それぞれの作品に独自の視点があり、大変すばらしい。また環境保護を多様な角度からとらえ、社会やコミュニティの役割がさまざま々な方法で描かれている。そのことは、よりよい未来への共通の願いであると強く感じた。次回のコンテストでは、より具体化した主題を設けてもおもしろいかもしれない。また、今起こっている環境問題に対処するため、それぞれの地域社会の中で子どもたちは何を手本とし、どのような未来を想像しているのか、具体的な取り組みを見てみたい。

【石渡 明美】
(花王株式会社 執行役員 コーポレートコミュニケーション部門 統括)

今回は明るい未来を描いたものが多かった印象だ。大人は責任をもって、きれいな未来を子どもたちに残していく必要があると改めて感じた。大人から教えられた押し付けのエコではなく、子どもたちなりの自由な発想・ストーリーで描かれた作品は、観る人の心を引き付ける力があると思う。各国の文化的な背景も垣間見えてとても興味深い。作品展では子供たちの思いや受賞ポイントを理解しながら観ていただくと、作品の持つメッセージ性がより心に響くのではないだろうか。

【片平 直人】
(花王株式会社 作成部門 副統括)

毎年社内で行なわれる予備審査から参加しているが、さまざまな視点で議論しながらの選考となることから、最後までどの作品が選ばれるかはわからない。特に今回は多様な思いやストーリーが細部にまで込められた作品が多く、いずれも深く読みとることができるため、選考が難しかった。インターネットを通じて過去の優秀作の影響を受けやすい状況にある中でも、自分なり・自国なりの視点で環境を考えた、独創性のある作品を選出できたと思う。同時に、審査する側の、何をもって選ぶかという責任を改めて感じた。

第8回コンテスト表彰式

2017年12月7日(木)~9日(土)に開催された「エコプロ2017」(東京ビッグサイト)の花王ブースにおいて、第8回コンテストの受賞作品を展示しました。最終日の12月9日には「“いっしょにeco”地球大賞」「“いっしょにeco”花王賞」の受賞者9名を会場にお招きし、表彰式を行ないました。

表彰式の前に行なわれた交流会では、審査委員長の益田文和先生をはじめとする4名の審査員、専務の竹内俊昭が受賞者一人ひとりに受賞のポイントや作品への感想を伝えると、受賞者は、笑顔で作品への思いを語ってくれました。

表彰式では、益田先生から「今年はこれまで以上に希望にあふれた作品が多く、審査はとても楽しかった。子どもたちが思い描く夢の世界は私たち大人を勇気づけてくれます」と講評をいただきました。続けて、竹内から受賞者へ表彰盾と副賞を授与しました。

「“いっしょにeco”地球大賞」を受賞したのは、ユニークな構成とメッセージ性が評価されたSuriya Patoomwanさん(8歳・タイ)です。受賞者代表のスピーチでは、「僕は、動物が多く自然が豊かな僕の町が大好きです。でも池にごみを捨てる人がいるため、地球は悲しんでいると思います。皆で協力し合ってきれいな環境を維持していきたいです」と語り、自然に対するやさしい気持ちや協同で取り組むことの大切さが伝わってきました。

表彰式の後に行なわれたインタビューセッションでは、受賞者の一人ひとりが、自分の国・地域を紹介し、作品に込めた環境への思いを来場者に向けて発表。会場に着いた当初は緊張した面持ちの受賞者たちでしたが、表彰式が終了する頃にはお互いに打ち解けて、笑顔で会話したり、記念撮影をしたりする様子も見られました。

受賞者を代表しスピーチを行なう大賞受賞の
Suriya Patoomwanさん

花王賞受賞のAlexandra Teodorescuさんに
表彰盾を授与

受賞者の皆さんのインタビューセッション

受賞者の皆さん、審査委員長の益田先生(左)、
専務の竹内(右)と記念撮影

受賞作品のご紹介はこちらからご覧いただけます。

Page Top