第7回コンテスト(2016年) 審査風景・審査員総評・表彰式

審査風景

第7回を迎えた今回の絵画コンテストには、45か国・地域から13,739点(国内1,407点、海外12,332点)の応募がありました。予備審査を経て、2016年10月17日、本審査会を行ないました。
さまざまな国・地域から寄せられた絵画作品がずらりと並んだ審査会場の様子は、まさに圧巻。審査の基準となったのは、地球環境改善への願いが感じられるか、環境問題を考える上で新鮮な視点を与えてくれているかなどです。
6名の審査委員は1枚1枚の絵画を細部に至るまで丹念に眺め、子どもならではの素直な表現に感心したり、時に驚かされたりしながら、厳正に審査を進めていきました。
環境問題という共通のテーマはあれど、表現方法や着眼点は実に多種多様。その国の文化など、お国柄ををひしひしと感じさせる作品も多くあり、なかには絵画そのものが異文化交流の一端を十分に担えるパワーを秘めた作品もありました。
最終的に、約400点の中から「いっしょにeco地球大賞」1点、「いっしょにeco花王賞」8点、「優秀賞」24点を決定しました。

予備審査の様子

予備審査の様子

本審査の様子

本審査での討議

審査員の総評

【益田 文和 先生】
(審査委員長、元 東京造形大学 教授)

この絵画コンテストは今回で7回目となる。回を重ねるにつれ、コンテストの個性や方向性が明確になってきた。特に今回はその兆候が顕著に感じられた。環境保護をストレートに訴求するものに加え、強いメッセージ性を密かに潜ませているような絵画的な作品を数多く見られたことは収穫だった。作品のクオリティもさることながら、参加国・地域、応募数ともに増え、審査のやりがいも感じている。子どもたちのためのコンテストでありながらも、世界各国の生活や環境に対する意識が見える機会として、このコンテストが周知されていくことを願う。

【大久保 澄子 先生】
(美術家)

近年はスマホが普及し、インターネットやゲームなど、機械の中に人間が入り込んでいくような行為に危機感を感じている。それらを全否定するつもりはないが、自然と共存することの大切さがだんだん軽んじられてきているように思う。しかし、今回の絵画コンテストの応募作品を見ているうちに、そうした思いは徐々に払拭されて安心感を覚えた。手を動かす、物を見る、自然と真剣に向き合う。今を生きる子どもたちこそ、こうした機会を得ることが望ましい。その為にも、このコンテストがますます広がっていくことを期待している。

【松下 計 先生】
(東京藝術大学 教授)

近年、グローバル化が叫ばれているが、文化はローカリティに根差している。グローバルに目を向けすぎると、自分たちの本来あるべき姿を見失ってしまう可能性もある。今回の応募作品には、社会を変えるための具体的な提案よりも、日常を感じさせるリアリティのあるものが多くあった。世の中はロジックではなく、まずはイメージからできている。そのイメージは、自分の目線の高さで見ている地域に根差したビジュアライゼーションなのだ。世界中のそれぞれ異なる幸せのかたちが子どもたちの絵から垣間見えた。

【オヤマダヨウコ 先生】
(イラストレーター)

自国の文化を大切にしたり、日々の暮らしを掘り下げたりといった作品が目立ち、よい兆候だと感じている。15歳までの子どもを募集対象にしているが、第1回に出品した15歳は、今年で22歳。社会に出ているかもしれない。このコンテストを通じて真摯に環境問題と向き合いながら作品をつくり上げたことがきっかけとなり、環境関連の仕事に就くなど、具体的なアクションを起こしているかもしれない。そうした時代にさしかかっていることを考えると、このコンテストの存在価値はますます高まっていくのではないだろうか。

【石渡 明美】
(花王株式会社 執行役員 コーポレートコミュニケーション部門統括)

2009年に花王が「環境宣言」を発表してから7年が経つが、社会的にも環境やエコに対する考え方は変わりつつある。以前は「やらなくては」という義務感からやっていた行為も、次第にやることが当たり前になってきた。今回の応募作品を見ていても、それがありありと感じられ、意識の高さに感心させられた。今の子どもが大人になったとき、どんな社会になっているのだろう。私たち大人の態度や振る舞いが子どもの環境への意識を育んでいるという責任とともに、次世代を担う子どもたちに企業として何をすべきかを考えさせられる契機になった。

【片平 直人】
(花王株式会社 作成部門 部長)

回を重ね、過去の作品に影響を受けたり、環境問題へのヒントを得たりと、互いの視点を学ぶよい機会になっているように感じる。今回はその上で、自国の文化や取り組みを改めて見つめ直したような作品が出てきた。その国には今まで見られなかったような表現でありながらも、まさにその国ならではという新しい視点や発想が生まれていることがすばらしい。今回選ばれた作品も、見た子どもたちに新たな刺激を与え、自分たちの国や文化にもこんないいところがある、と再び応募してくれる契機になればうれしく思う。

第7回コンテスト表彰式

2016年12月8日(木)~10日(土)に開催された「エコプロ2016」(東京ビッグサイト)の会場内の花王ブースにおいて受賞作品を展示し、最終日の12月10日には、受賞者代表を招いて、表彰式を行ないました。

当日は「いっしょにeco 地球大賞」「いっしょにeco 花王賞」に選ばれた上位9名が参加。表彰式が始まる前には交流会を行ない、審査委員長の益田文和先生、社長の澤田道隆が、子どもたち一人ひとりに作品の感想を伝えると、どの受賞者も満面の笑みで作品に込めた願いや絵に対する思いをたっぷりと語ってくれました。

続く表彰式では、益田先生から「環境へのメッセージ性を密かに潜ませているような絵画的な作品が数多く見られ、大変感心させられました」との講評をいただきました。過去最多の応募があった今回のコンテストですが、益田先生の言葉からは、作品のレベルの高さもうかがい知ることができました。

澤田から受賞者に表彰盾と記念品が授与された後、「いっしょにeco 地球大賞」を受賞した小林晃さんによるスピーチが行なわれました。小林さんは自身の作品について、「学校の美術室の窓からいつも見ていた大木がモチーフです。でも、切り倒されてしまって、今はもうありません。僕の心に今も残っているあの木の姿を描きました」と語ってくれました。生命力にあふれた大木が印象的な小林さんの作品ですが、そのエピソードからは小林さんの自然に対する優しさとあたたかなまなざしが伝わってきました。

表彰式後のインタビューセッションでは、それぞれの受賞者から自分が暮らす国・地域の環境や、絵に込めた思いなどが語られました。

受賞者を代表しスピーチを行なう大賞受賞の
小林 晃さん

花王賞受賞のAyda Afzaさんに
表彰盾を授与

受賞者の皆さんのインタビューセッション

受賞者の皆さん、審査委員長の益田先生(左)、
社長の澤田(右)と記念写真

受賞作品のご紹介はこちらからご覧いただけます。

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