内臓脂肪研究とそれに基づく「スマート和食®」の開発

健康科学

体脂肪の過度の蓄積=肥満は、グローバルな健康課題のひとつです。体脂肪の中でも内臓の周囲にある「内臓脂肪」の過度な蓄積は、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞など命にかかわる病気を引き起こす原因となります。これらの病気が「生活習慣病」と言われるように、内臓脂肪の蓄積には食事を含むさまざまな生活習慣の影響があると考えられ、内臓脂肪を蓄積させない食品や食事法の開発が期待されています。
花王は、どこでも簡便に内臓脂肪を測定できる技術を開発。1万人以上の成人男女の内臓脂肪蓄積と、詳細な生活習慣、そして栄養素の摂取状況を調べました。それらを解析した結果、内臓脂肪の蓄積予防には、食事の「質」(3組の栄養素のバランス)の向上が重要であることを発見。「スマート和食」食事法(図1)を確立しました。さらに、肥満気味の成人男性21名を対象とした調査により、スマート和食は現代食と比較して脂肪蓄積を促進するホルモン(GIP)の食後の分泌が少ないこと、2週間継続してスマート和食を3食とると内臓脂肪が有意に減ることを実証しました(図2)。
花王は、この成果をもとに、内臓脂肪測定とスマート和食の提供・指導を組み合わせたプログラムを開発し、グループ社員の健康増進に活用するとともに、日本国内の他の企業や自治体にも提供しています。エビデンスに基づく食事法や、植物ポリフェノールなどの機能性を持つ成分・食品の研究を通じて、すべての人々の健康的な生活に貢献することをめざしています。

図1.スマート和食(3組の栄養バランス)

図2.スマート和食のGIP抑制・内臓脂肪低減効果

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