参考資料: 2017年06月28日

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花王の「紙ベース鋳造用湯道管の開発」が第16回「グリーン・サステイナブル ケミストリー(GSC)賞 経済産業大臣賞」を受賞

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、「紙ベース鋳造用湯道管の開発」で、公益社団法人新化学技術推進協会主催の第16回「グリーン・サステイナブル ケミストリー(GSC)賞 経済産業大臣賞」を受賞しました。
GSC賞は、GSC(Green & Sustainable Chemistry、人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学)の推進に貢献する優れた業績が表彰されるもので、その中でも経済産業大臣賞は産業技術の発展に貢献した取り組みが選定されます。
なお表彰式(7月3日)および受賞講演(7月4日)は、いずれも東京国際フォーラム/ホールB7で開催される第6回JASI/GSCシンポジウムにて行なわれます。

受賞研究概要

<従来技術>
鋳物の製造については、従来から品質や生産性の向上、作業環境の改善などが行なわれてきましたが、近年、環境負荷の面から産業廃棄物の低減についての対応が強く求められています。
従来、熔融金属を鋳型に注入する際には、陶製などの湯道管が一般的に用いられてきました。これらの湯道管は、重くて取り扱いにくく、使用後には残さい物(ガラ)として廃棄し、また、リサイクルされる鋳型砂に混入すると砂の再生に障害になるなど多くの課題がありました。

<今回受賞対象となる花王の技術>
花王が開発した「紙ベース鋳造用湯道管」は、紙の成形加工技術(ハイブリッドパルプモールド)を応用して、再生パルプを使用し、耐熱性などの機能をもたせた独自コンセプトの鋳造用湯道管です(図1)。
※「紙ベース鋳造用湯道管」は、商品名:EGランナー(販売元:花王クエーカー(株))として、販売しています。

図1「紙ベース鋳造用湯道管(EGランナー)」

図1「紙ベース鋳造用湯道管(EGランナー)」

●「紙ベース鋳造用湯道管」の特長
「紙ベース鋳造用湯道管」には、以下の特長があります。

1)重量が軽い
「紙ベース鋳造用湯道管」は、再生パルプと耐熱性材料との複合成形体であり、極めて軽いものです。
2)切断・組み立て作業が簡単
再生パルプを主材としますので、ノコギリなどで容易に切断できます。
なお、端部はインロウ(はめこみ)継手になっており、湯道管を簡単に、しっかりと接続・組み立てることができます。しかも、管や接続部は、鋳型造型時に砂の重量でつぶれることのないよう、十分な強度を有しています。
3)廃棄物量が大幅に減少する
熔融金属注入後、残存した炭化被膜は、鋳型の解砕時に簡単に崩壊します。このため、廃棄物重量を大幅に減らすことができ、残さい物(ガラ)と砂の分別も不要となります。

また、「紙ベース鋳造用湯道管」は、再生パルプを使用していますが、耐熱性機能にもすぐれており、1400℃前後の熔融金属注入においても、しっかりとその形状を保持します。


花王はこれからも、社会的課題の解決に貢献することをめざして、革新的で価値の高い商品づくりとサービス提供に挑戦していきます。

お問い合わせ

花王株式会社 広報部

03-3660-7041~7042

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