参考資料: 2018年05月09日

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花王、「第50回市村産業賞貢献賞」を受賞

~スラリーレオロジー改質剤の開発~

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、「スラリーレオロジー改質剤の開発」に関して、公益財団法人市村清新技術財団(総裁:寛仁 親王殿下、会長:桜井正光)から、「第50回市村産業賞貢献賞」を受賞しました。贈呈式は、4月16日に帝国ホテル 東京(東京都千代田区)にて執り行なわれました。
(参考情報:スラリーレオロジーとは、粉体が液体に分散した流体の流動特性のこと。)

市村産業賞は、リコー株式会社の創始者である故・市村清氏の意思のもと、昭和43年に設立された、新技術開発財団(現在は市村清新技術財団)により、科学技術の進歩、産業の発展、文化の向上、その他国民の福祉・安全に関し、科学技術上貢献し、優秀な国産技術の開発に貢献のあった技術開発者に送られるもので、今回が第50回になります。(市村産業賞には、本賞・功績賞・貢献賞があります。)
なお、本件技術は、第49回日本化学工業協会技術賞の技術特別賞も受賞しております(2017年5月)。

受賞対象技術の概要

受賞対象となった、スラリーレオロジー改質剤は、界面活性剤が形成するひも状ミセル*1 の特性を応用したものであり、当社では、ケミカル事業部にて、インフラ用途向けに高機能特殊増粘剤「ビスコトップ」としてすでに2002年より販売しています。
その特性としては、
1)優れた耐水性(水中でも工事ができるコンクリート*2 の実現)
2)材料分離の抑制(コンクリートの均一性を保つ)
3)高い流動性(隅々まで確実な施工が可能)
4)セメントの硬化反応を遅らせない(工期を伸ばさない)
等、界面活性剤のはたらきによる、極めて特長のある性質を有しています。
水の中にセメントが分散したスラリーでありながら、スラリー中のセメントが水中に拡散しない性質は特筆すべきもので、環境に対してもやさしい剤といえます。特性の違いを顕著にあらわした写真を図1に示します。
以上のような特性が施工主、土木建築業界に認められ、現在、日本各地のさまざまなトンネル工事(地下水の多い場所)や治水工事(河川、港湾などの場所)で、本件改質剤が活用されています。

  • * 1 ひも状ミセル
    界面活性剤が水中で形成する集合体形状の1種で、水の増粘と、分散するセメントを均一で安定な状態に保つ役目を果たしています。
  • * 2 コンクリート
    水、セメント、砂(粒径が約5㎜以下)、砂利(粒径が約5㎜以上)を混合して固めた材料。

図1 改質剤添加に伴うセメントスラリーの水中投入時の様子

事業基盤や戦略を徹底的に練りあげ、磨きあげる6カ月間のプログラムの様子

<受賞対象の改質剤を添加したセメントスラリー>
改質剤を添加することで、水中に流し入れても、流動性を有したまま、セメントが水に拡散することなく、きれいに一体性を保っています。

事業基盤や戦略を徹底的に練りあげ、磨きあげる6カ月間のプログラムの様子

<通常のセメントスラリー>
改質剤を添加しないと、セメントスラリーが水中に拡散してしまい、目的の場所にセメントを送りこめず、しかも、周囲の水を濁らせてしまいます。

授賞の賞状と楯

お問い合わせ

花王株式会社 広報部

03-3660-7041~7042
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