参考資料: 2017年05月25日

<お知らせ>
高機能特殊増粘剤『ビスコトップ』が日化協技術賞「技術特別賞」を受賞

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、「高機能特殊増粘剤『ビスコトップ』の開発」で、一般社団法人 日本化学工業協会(日化協)の第49回日化協技術賞「技術特別賞」を受賞しました。表彰式は5月25日開催の日化協定時総会(於:パレスホテル東京)、受賞講演は6月30日開催の「日化協技術シンポジウム2017」(於:イイノホールカンファレンスセンター)で行なわれる予定です。日化協技術賞は、社会全体の発展や環境の改善に大きく寄与した革新的で優れた科学技術や製品の創出を表彰する制度です。技術特別賞は、独創的で、かつ科学技術の進歩に寄与した製品や技術に授与される賞です。

『ビスコトップ』の特徴と実績

日本では全国各地で高層ビルや高速道路の建設、トンネル工事、海岸線における護岸工事、港湾の建設などさまざまな工事が行なわれています。特に河川や海岸などの水辺で行なわれる工事では、環境や水質を汚さないように、水質汚濁を防止するための対策が必要となります。

今回受賞した『ビスコトップ』は、高次構造体*1 (ひも状ミセル*2 )が持つ粘弾性を生かした高機能特殊増粘剤です。これをコンクリート材料などに添加することで、水中でも材料が分離しなくなるため、土木工事が困難であった埋立地やトンネルといった水辺や湧き水などの多い現場でも、確実な施工と大幅な工事期間の短縮が可能となりました。『ビスコトップ』は、老朽化したインフラの補修や再整備なども含め、全国の土木工事現場において、使用実績が増えています。

『ビスコトップ』を使用した工事例 『ビスコトップ』を使用した工事例

受賞業績の概要

花王は、界面活性剤によって形成される高次構造体*1 (ひも状ミセル*2 )を水と無機粉体からなるスラリー系に応用したスラリーレオロジー特性を、自由に制御する改質技術を開発しました。本技術によって、製造された高機能特殊増粘剤『ビスコトップ』をスラリーに添加し、ひも状ミセル*2 を安定して形成させることでその特異な粘弾性挙動を発現させ、高い流動性、良好な材料分離抵抗性そして優れた充填性をスラリーに付与することができます。各種のコンクリート工事、注入工事および補修工事で、海水や地下水、湧水が多く存在する地盤でも材料が希釈されることなく確実な施工ができるため、構造物の品質向上や工事期間の著しい短縮に貢献し、応用価値の高い技術であることが実証され、今回の技術特別賞の受賞にいたりました。

『ビスコトップ』は、社会資本の保全、安全化や補修、耐震補強など幅広い用途において、これからも大きく貢献していける剤であると期待しています。
今後も花王では、界面科学というコア技術を通じて、さまざまな産業界に向けて貢献できる本質研究を進めていきます。


*1 油になじみやすい部分と水になじみやすい部分を持つ界面活性剤が、規則的に配列し、3次元的に広がった構造体
*2 界面活性剤が水の中で油になじみやすい部分を内側にして集合し、長いひも状となった構造体