参考資料: 2014年08月22日

ホコリ意識・実態調査で、室内のホコリ中に、菌やカビの存在を確認

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、室内のホコリ掃除を中心に国内女性(20~69才)の掃除に関する意識調査を実施し、さらに首都圏一般住宅の室内のホコリを採取してホコリが含む菌やカビの調査(測定、同定)を実施しました。その結果、以下の事項がわかりました。

掃除をする時の意識

ホコリには、菌への意識は少ない(図1、2、3)

掃除全般では、菌を気にしている人は増加傾向にあり、2013年では約9割が掃除で菌を気にしています。(図1)
しかし掃除箇所別に調べると、キッチン・浴室などの水回りでは約5~6割いるものの、フローリング床の掃除では約2割の女性しか菌を気にしていませんでした。(図2)
これはフローリング床の汚れは乾燥したホコリが中心のためと考えられます。またホコリ中に含まれる気になる汚れを尋ねても、綿ボコリ8割、髪の毛7割、花粉3割、ハウスダスト3割で、ホコリには菌の意識はほとんどありませんでした。(図3)

以上より、ホコリの掃除時は、全般的に菌やカビはほとんど意識されていないことがわかりました。

ホコリに含まれる菌やカビの測定

床のホコリは菌やカビを集めていると推測(図4、5)

ホコリに含まれる菌やカビを測定した結果、ほとんどのホコリ中に、菌やカビが存在しました。

菌やカビの種類は、家の中で頻繁に存在する一般的なものでした。菌は、自然界に広く分布している好気性芽胞菌やヒトや動物からよく分離されるカタラーゼ陽性グラム陽性球菌が多く検出されました。カビは、一般的な黒カビが中心でした。

菌やカビの数(CFU)は、カーテンレールや棚の上などの位置の高い箇所のホコリでは、ホコリ1g当たりの一般細菌数は約7~10万個、カビは約1万個程度でした。これに対し、室内での位置が低いリビング(フローリング)やトイレの床の上のホコリでは、ホコリ1g当たりの一般細菌数は約100~260万個、カビは約12~31万個で、床のホコリは高い位置のホコリに比べて、約10倍程度、菌やカビの数が多いことがわかりました。この原因は、床は人や物の出入りが多いため、ホコリや菌やカビが多く落下する箇所であり、またホコリが含む繊維などに菌やカビが付きやすいためと推測されました。

以上より室内のホコリは、菌やカビを含んでいることがわかり、室内の衛生や健康管理の点からも、こまめなホコリ掃除が大切と考えられました。



場所別平均値一般細菌数
CFU/dust-g
カビ数
CFU/dust-g
カーテンレール67,00010,000
棚の上(テレビの後ろ)100,00014,000
家の壁170,000220,000
ラグ・カーペットの下590,00012,000
トイレの床1,000,000310,000
リビングの床2,600,000120,000

背景

住居にフローリング床が増加したことや掃除の簡便指向などにともない、フロアのホコリ掃除のためのフロア用ダストワイパーが広く普及しています。また棚の上や隙間などの手が届きにくい場所のホコリを掃除するためのハンド用ダストワイパーも、普及が進行しています。またホコリを構成する汚れは、繊維クズ・毛髪・食べかす・花粉・ダニなどで、さまざまなものの混合物と考えておりました。

これまでに花王では、衛生や健康の視点から、花粉やダニについて考察していましたが、ホコリ中の菌やカビについては、ほとんど考察されていませんでした。

そこで本調査では、室内におけるホコリ掃除の現状把握を目的に、リビング掃除の意識とホコリが含む菌やカビについて調査を実施しました。

方法

●菌やカビに対する意識実態調査

国内20~69才の既婚女性を対象に、掃除の際の菌への意識、除菌を意識して掃除する場所、気になるホコリの汚れについて、WEB式調査票を用いて意識の変化を調査しました。(時期やN数の詳細は図中に記載)

【参考】
1カ月当たりの平均掃除頻度は2008年と2013年で比べると、以下のようでした。
・掃除機がけ 16.8回 → 16.2回
・雑巾がけ 10.5回 → 6.1回
・フロアワイパーがけ 15.1回 → 14.4回
・ハンドワイパーがけ 13.2回 → 13.7回

●ホコリ中の菌・カビの調査

首都圏8世帯(戸建4軒、集合住宅4軒)を訪問し、室内6カ所(TV裏からTV台の上、カーテンレール、リビングの壁、リビングの床、トイレの床、カーペットやラグの下)から、ホコリ48サンプルを採取しました。

採取には、化学繊維を束ねてシート状にしたワイパー* を使用しました。この用具による平板上に存在するホコリ採取率は、モデル実験で約98%であることを確認しています。

採取したホコリは、まず使用前後のワイパーの重量差から採取ホコリ重量を計測しました。そして、その後ワイパーに付着したホコリから菌・カビを抽出しました。これを、一般細菌は標準寒天培地培養法、カビはポテトデキストロース(10%)寒天平板培養法にて培養し、一般細菌とカビの生菌数の測定、ならびに菌とカビの種類の同定を検討しました。


* 主成分ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンからなる化学繊維集合体に5%流動パラフィンを含浸させたもの。採取時の床上などへの平均押しつけ力は、0.18N/cm2とした。

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。