発表資料: 2010年08月30日

中国洗濯実態調査 第Ⅱ報(都市部852世帯)
~洗濯行動の詳細~

■洗濯機は大きな衣料や重い衣料、手洗いは下着に、対象衣料ごとに使い分け。
■手洗いでは、洗剤が衣類に残らないよう、泡がなくなるまで丁寧にすすぎを実施。

花王グループの花王(中国)研究開発中心有限公司(KCRC: Kao (China) Research & Development Center Co.,Ltd.)とファブリック&ホームケア研究センター(日本)は、清潔で心地よい暮らしを提案することを目的に、消費者の生活ニーズを背景に商品開発研究を行なっています。

中国家庭の洗濯実態調査を実施し、第Ⅰ報(2010年7月30日ニュースリリース)では洗濯方法の概略と水使用量に着目し、約9割の家庭が洗濯機と手洗いを併用し、洗濯に使う水は一世帯あたり年間約3万リットルで約8割が“すすぎ”で消費されていることを報告しました。
今回は、洗濯行動の内容、意識、汚れに着目し、第Ⅰ報の調査対象世帯も含め、中国都市部(上海、北京)の家庭852世帯を対象に調査した結果を報告します。

その結果、洗濯機と手洗いの使い分けについては、洗濯機は大きな衣料や重い衣料を洗い、手洗いでは主に下着など肌に触れる衣料を洗うことがわかりました。特に手洗いでは、すすぎが足りないと体や肌によくないという意識があり、非常に丁寧なすすぎが行なわれていました。これより、中国女性の高い清潔意識が明らかになりました。またさらに、汚れの種類についても調べたところ、落ちにくく最も気になるのはエリ・そでの汚れでした。

本調査結果は、今後の衣料用洗剤の開発に応用していきます。

研究結果

■洗濯機と手洗いの使い分け (添付資料:図1、2、3)

衣類と洗い方の関係を調べると、上着や寝具(シーツ)などは洗濯機で洗われていますが、下着や靴下のような直接肌に触れる衣類は9割以上が手洗いで洗濯されており、洗濯物の種類や状態によって洗い方が異なることがわかりました。
また洗濯機で洗う理由は、「手で洗うには重く大きい」が9割、「忙しいときや疲れたとき」が5割でした。これに対し手洗いで洗う理由は、「手洗いの方がきれいになる」が7割で、清潔意識が大きく影響していることがわかりました。

■手洗いの行動の詳細と意識 (添付資料:図4、5)

手洗いの詳細や意識を調べるため、上海の52世帯のご家庭を訪問し、洗濯の様子の観察や意識の聞き取りをしました。
その結果、手洗いは洗面器を使い、「1.洗剤の計量→2.洗い→3.すすぎ」の工程がされていますが、それぞれの状況は次のようでした。

1.洗剤の計量

洗剤を衣類に添加するとき、多くの人が自分の感覚で洗剤を入れており、きちんと「計量」している人は少数であることがわかりました。また、このように本人の感覚で計量した場合、洗剤を余分に使う傾向があり、経済的でないだけでなく、洗剤が多いとすすぎの時の泡切れが悪くなり、すすぎが大変になる傾向が認められました。
なお、これまでの研究で、衣料用洗剤は適正量以上添加しても汚れ落ちは上がらないことが知られており、洗剤の正しい計量方法の啓発や製品の対応などが必要と考えられました。

2.洗い(つけおきともみ洗い)

洗剤を溶かした液に、9割の方が衣類のつけおきをし、つけおきの時間は5~30分でした。つけおきをする理由は、汚れをしっかり落とすためで、その効果も実感されていました。また、つけおき終了後は、ほぼ全員が両手で衣類をもって、丁寧にもみ洗いをしていました。
このように、汚れをしっかり落とそうという、清潔意識の高さが認められました。

3.すすぎ

すすぎは、洗面器の中ですすぎ、汚れると水を替える“ためすすぎ”がほとんどでした。
手ですすぎを何度も行なうのは労力が必要ですが、多い方は8回もすすぎを行ない、平均すすぎ回数は夏3.9回、冬3.8回でした。すすぎ終了の判断として、泡がなくなるまで、徹底的にする方がほとんどでした。
そこで徹底的にすすぎをする理由を調べるため、「衣類が十分にすすげていないと気になること」を聞きました。その結果、多くの方が「すすぎが足りないと、体や肌によくない」と答え、肌の健康を意識し、泡がなくなるまで丁寧にすすぐことが明らかになりました。
ただ、こうした洗濯行動は、一般に水の使用量を増加させて水環境に負荷をかけることにもつながる可能性があり、洗濯時の水使用量を減らすためにも効率的な“すすぎ”の必要性が示唆されました。

■汚れの種類、落としにくい汚れ (添付資料:図6)

普段の生活の中で衣類につく汚れと、洗濯による落としにくい汚れを調べました。
その結果、代表的な汚れは、泥汚れ、シミ汚れ、食べ物の汚れ、汗、皮脂でした。また、エリ・そでのシミ、食品の油、皮脂は、落としにくいことを実感していることがわかりました。
この中で最も気になるのはエリ・そでの汚れで、エリ・そでは直接肌に触れて皮脂がつきやすく、また汚れが黒ずんで目立つため、きれいに洗濯するのに苦労していることが明らかになりました。

研究背景

花王グループは、2009年6月、当社を取り巻く世界規模の事業環境の変化に対応すべく、当グループの“使命”を、「エコロジーを経営の根幹に据え、清潔・美・健康の分野で世界の人々の“こころ豊かな生活文化の実現”に貢献する企業をめざす」としています。

資源の枯渇、地球温暖化への懸念等によって、人々の環境意識はますます高まっています。当グループはこれまでも3R(Reduce:削減/Reuse:再使用/Recycle:再生利用)などのエコロジー活動を行なってきました。昨年6月の「環境宣言」においては、花王ならではの環境への新しい取り組みを、特にCO2削減と水使用の削減をグローバルに行なう事を重要なテーマととらえています。

経済成長が著しい中国においては、今後の生活用水の増加が予想されています。前報では、洗濯方法の概略と水使用量に着目し、多くの方が洗濯機と手洗いを併用し、洗濯に使う水は一世帯あたり年間約3万リットルで約8割が “すすぎ”で消費されていることを報告しました。水環境を考える場合も含め、洗濯行動や意識を詳細に明らかにすることは、衣料用洗剤を開発する立場から必要と考え、今回の調査を実施しました。

調査方法

■調査1

・調査対象:中国都市部52世帯(上海)の20~44歳女性
・調査期間:2005年8月~2006年1月
・調査員による訪問調査(実際の洗濯の様子を観察させていただき、インタビューを実施。)

■調査2

・調査対象:中国都市部600世帯(上海300世帯、北京300世帯)の20~59歳女性
・調査期間:2009年3月
・調査員による訪問調査

■調査3

・調査対象:中国都市部200世帯(上海100世帯、北京100世帯)の20~44歳女性
・調査期間:2009年9月
・調査員による訪問調査


※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。