社長メッセージ


代表取締役 社長執行役員
澤田 道隆


2012年12月期 連結決算の概要

当期の世界の景気は、欧州の債務危機問題もあり、引き続き弱い回復にとどまっています。日本の景気は、弱い動きの中に一部下げ止まりの兆しも見られますが、依然として厳しい状況が続いています。

このような状況のもと、当社グループは“よきモノづくり”に基づき、消費者ニーズの変化に対応した高付加価値商品の発売や育成などに努めるとともに、コストダウン活動などに取り組みました。

こうした活動の結果、売上高は、前期同一期間に対して0.4%増の1兆126億円(為替変動の影響を除く実質1.1%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、サニタリー製品などのヒューマンヘルスケア事業及びファブリック&ホームケア事業が貢献し、売り上げは前期同一期間を上回りました。ケミカル事業では、対象業界の需要減及び原料価格の低下に伴う販売価格の改定などの影響により、売り上げは前期同一期間を下回りました。

利益面では、増収効果のほか、天然油脂や石油化学原料を中心とした原材料価格の低下、コストダウン活動の推進や費用の効率化により、営業利益は1,016億円(対前期同一期間31億円増)となりました。経常利益は1,042億円(対前期同一期間40億円増)、当期純利益は、事業年度の末日の変更に伴い、一部の連結子会社において繰延税金資産を計上したこともあり624億円(対前期同一期間106億円増)となりました。1株当たり当期純利益は119.55円となり、前期同一期間の99.16円より20.39円増加しました。

当期の年間配当金は前期に比べ2円増配の1株当たり62円としました。

なお、資本効率の向上と株主の皆さまへの一層の利益還元のため、本年2月5日開催の取締役会において、2月6日から4月26日までに、自己株式を株式の総数1,250万株または取得価額の総額300億円を限度として、取得することを決議しました。

花王グループ中期3カ年計画(K15)

今後の世界経済及び日本経済を展望してみますと、決して楽観を許さない厳しい状況が続くと予想されます。私ども花王グループは、ここで一段と気を引き締めて、将来に向かってさらなる成長・発展を図るべく、「花王グループ中期3カ年計画 K15」(Kao Group Mid–term Plan 2015)を策定・明示することとしました。

【K15 目標】
(1) 過去最高の売上高・利益の突破
(2) 2015年度経営数値目標の達成
連結売上高 1兆4,000億円
連結営業利益 1,500億円
海外売上比率 30%以上

【K15 成長戦略】
(1) コンシューマープロダクツ事業のグローバル拡大
アジアや新興国をはじめとする成長市場に対しては、伸び行く中間所得者層に向けて、衣料用洗剤、ベビー用紙おむつ、生理用品など市場規模も大きく、また当社独自の技術が活かせる「清潔分野」の商品を柱として早期に事業規模の拡大を図っていきます。一方、欧米をはじめとする成熟市場に対しては、プレステージ化粧品、プレミアムマスのスキンケア・ヘアケア商品、そして美容サロン向け商品などにおいて高付加価値化提案を行なっていきます。

(2) ファブリック&ホームケア事業の磐石化とビューティケア事業、ヒューマンヘルスケア事業の利益ある成長の加速
当社グループの収益の基盤であるファブリック&ホームケア事業では、各カテゴリーでのシェアNo.1の維持・獲得を図っていきます。ビューティケア事業では、プレステージ化粧品の利益ある成長を図るとともに、マスのスキンケア・ヘアケア商品においても当社グループのビューティケア技術が活かせる商品の開発・上市に努めていきます。ヒューマンヘルスケア事業では、消費者の皆さまの「健康志向の高まり」や「高齢化社会の進行」に照準を合わせた新市場創造型の特徴ある商品やサービスの提供により、一層の成長・発展をめざします。

(3) ケミカル事業の強化
「エコテクノロジーリサーチセンター」(和歌山)を中心とした環境基盤技術の開発・活用によって、エコケミカル事業体への飛躍をめざすとともに、コンシューマープロダクツ事業とのシナジー強化を図っていきます。

【イノベーション(戦略遂行のための土台)】
こうした成長戦略を効果的に遂行するためには、当社グループの特徴・強みを今一度確認し、強化していく必要があります。私は、メーカーである花王の原点は“よきモノづくり”であり、さらにそのモノづくりの根幹をなすのが“イノベーション”であると確信しています。当社グループが一世紀を超える歴史を生き抜き、ここまで成長・発展してきた根底には、消費者の皆さまの生活文化を変えるような革新的な新価値創造、すなわちイノベーションの積み重ねがありました。私は今こそ、この花王の原点に立ち返り、「世界初」「世界一」「オンリーワン」と呼ばれるような、人々に驚きと喜びをもって迎えられるような商品・サービスの開発に邁進すべき時であると思っています。そのために、既存の商品開発の組織体制の活性化を図るとともに、社長直下に、新価値の創出をめざすプロジェクトを発足させ、活動を開始しています。

花王グループは、今後、中期3カ年計画に沿って、“利益ある成長”と“社会への貢献”との両立を図り、“グローバルで存在感のある会社”となることをめざしていきます。また、こうした企業活動の根底をなす企業理念として、独自の企業文化、企業精神のエッセンスを明示化した「花王ウェイ」を当社グループ全員で共有・実践しています。こうした方針に基づいた誠実な事業活動によって、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献しています。

株主の皆さまにおかれましては、引き続き厚いご支援を賜りますようお願い申し上げます。

   
 

2013年3月
花王株式会社
代表取締役 社長執行役員

 

※当期より事業年度の末日を3月31日から12月31日に変更したことに伴い、当期の連結業績は、当社及び3月決算であった連結対象会社は2012年4月から12月の9カ月間を、12月決算の連結対象会社は2012年1月から12月の12カ月間を連結対象期間としています。以下、増減については、前期同一期間と比較しています。