「花王・コミュニティミュージアム・プログラム」助成団体紹介 Vol.1
-多摩六都科学館ボランティア会

地域に根づいた博物館・美術館等を拠点とした市民団体を応援する「花王・コミュニティ ミュージアム・プログラム」。花王は、2007年に始まったこのプログラムを通じ、すでに30を超える市民団体の活動を応援してきました。ここでは、各団体の活動を取り上げてご紹介してまいります。

第1回目は、多摩六都科学館ボランティア会の尾崎文さんにお話をうかがいました。

Vol.1 多摩六都科学館ボランティア会の雑木林再生プロジェクト

多摩六都科学館ボランティア会は、科学館の行う科学教育普及活動の運営補助を目的に組織され、会員の自主運営により活動しています。平成19年に始まった雑木林再生プロジェクト* は、科学館敷地内にある雑木林を拠点として、自ら学びながら、再生のための手入れの実施、子どもたちへの教育活動、地域で保全活動を行っている他の団体や大学との連携といった活動を通して、「森づくり」「次代を担う人づくり」「仲間づくり」を目指しています。

* 「花王・コミュニティミュージアム・プログラム」助成対象プロジェクト

多摩六都科学館ボランティア会の尾崎文さん(写真左) 多摩六都科学館ボランティア会の尾崎文さん(写真左)

このプログラムを知る以前、雑木林の荒廃を何とかしたくても、科学館で予算はつきそうにないので、活動をあきらめかけていました。この募集があることを知り、自分たちから積極的に動くことによって変えられることがあるかもしれないと思い、そういう夢を支援してくれることにたいへん魅力を感じ、応募してみることになったのです。

助成を受けて、初めてホームセンターに剪定ばさみやのこぎりを買いに行ったときは、まるで、欲しかったおもちゃをお小遣いで買いに行く子どものような気分でした。
雑木林再生の活動を始めて間もない頃、私たちは、自分たちだけで、樹齢60年以上の枯れかけたコナラを伐採することにしました。伐採の技術について理屈はわかったつもりの私たちは、枝を切るための剪定のこぎりで切り始めたのですが、直径40センチ以上の木をたった1本切り倒すのに、8人ほどで交代しながら2時間をかけ、さらにその木を長いまま運ぼうと、1時間もの時間を費やしていました。今では、自分たちでチェーンソーを使用して、10分も経たずに切り倒せるようになりましたが、あの日のことは、皆で真剣に苦闘しながら取り組んだ、良い思い出となっています。

地域との連携、人とのつながりを大切に

子どもたちが参加する「雑木林教室」を通じ、地域の大学と連携が深まり、今年は学生の方からの提案で、共同企画という形も実現しました。先生となった学生のみなさんに、子どもたちが喜んで教わったり遊んだりする様子に、次世代継承への明るい期待が持てるような気がします。お互いに企画を提案し合うことで、これからもこの活動が発展していける可能性が大きいと期待しています。

多くの参加者でにぎわう活動日の様子 多くの参加者でにぎわう活動日の様子

私たちの理想は、対象林地が、いろいろな生き物が集まる場所になることです。鳥や昆虫が、武蔵野地域に点在する雑木林を行きかうことができるように、林を守る人のネットワークをつくりたいと思います。そのため、プロジェクトのメンバーを広げ、将来的には、雑木林教室に継続して通ってくれる子どもたちが、企画の段階から積極的に参加できるイベントなども計画できたらいいと思います。

最後に、雑木林自体が「こういうふうにしてもらいたい。」と言っているのがわかるような、昔話にある「ききみみずきん」のようなものがあるといいな、と思うことがあります。人間が「よかれ」と思って行った行為が、自然界にとっては迷惑だったりすることもあるからです。
個性というものも雑木林にはあるかもしれない、と思うこともあります。科学館の雑木林はどんな個性を持っているでしょうか。その個性を聞き取り、伸ばしてあげることができたら、と願っています。


-活動が天候に左右されがちな点が悩みとのことですが、科学館、地域とも連携しながら積極的な活動に取り組まれているのが印象的です。今後活動がますます深まることを期待しています。-

多摩六都科学館ボランティア会の概要

【団体名】
多摩六都科学館ボランティア会
【助成プロジェクト名】
みんなの知恵と力で甦れ!武蔵野の雑木林再生プロジェクト
【拠点となるミュージアム】
多摩六都科学館


関連情報
社会貢献の取り組み>花王・コミュニティミュージアム・プログラム
多摩六都科学館雑木林再生プロジェクト
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