2011年12月27日 環境・安全への取り組みトピックス

「第2回花王国際こども環境絵画コンテスト」受賞作品発表

花王グループは“いっしょにeco”をスローガンに掲げ、環境への取り組みを進めています。“いっしょにeco”の活動は、製品にかかわる全ライフサイクルの中で実行できる、よりecoな方法を提案するとともに、広く社会全般の環境保全活動との強い連携をめざしています。

このような考えのもと、花王グループでは“いっしょにeco”をテーマに、昨年から「花王国際こども環境絵画コンテスト」を実施しています。地球の未来を担う世界中の子どもたちが、環境を守るためにはどうしたらよいかを真剣に考え、毎日の生活の中でできることを絵で表現するとともに、自ら実践したり、友だちや大人たちに広く呼びかけてもらうことを目的としています。

上位入賞者の子どもたち。

上位入賞者の子どもたち。

第2回コンテスト表彰式

2011年12月17日(土)、「エコプロダクツ2011」会場内の花王ブース(東京ビックサイト東5ホール、小間No.5-034)において、表彰式を開催しました。

33カ国・地域、 応募総数4,102点(国内1,967点、海外2,135点)の中から、「いっしょにeco 地球大賞」「いっしょにeco 花王賞」に選ばれた上位7名を表彰いたしました。

表彰式のあと、受賞作品の展示をしている会場内の花王ブースで、環境について考えていることや作品を通じて訴えたいことなどについて、インタビューを行ないました。

受賞作品のご紹介

【いっしょにeco 地球大賞】



「折り鶴が羽ばたく新しい世界」
Sudaporn Wiangin さん
14歳 タイ


<絵に込めた思い>
この絵は、人間が森林を破壊したことで干ばつが起こり、豊かさが失われるという環境に及ぼす影響を描きました。地面が割れ、木と生き物は死んでいきます。
私は、できれば鳥になって小さな苗木を植えたいです。本物の鳥ではなく、折り紙の鳥でも満足です。

<審査員講評>
題材はツル。それも“祈り”の象徴として世界中に知られる折鶴がかたどられ、メッセージ性の強い作品に仕上がっている。
伐採された木から紙がつくられ、その紙で折られたツルが、苗木をくわえ戻ってきたのだろうか。構図や色彩も、シンプルながら深い意味合いが感じ取れる。青空と褐色の大地、切り株と苗木のコントラスト、地平線の向こうに見える光に表わされた再生と希望の息吹・・・。
この作品は、エコというテーマを一つ上のステージに押し上げてくれた。

【いっしょにeco 花王賞】



「電気を無駄遣いしないで節約しよう」
Dennis Machira Gichuki さん
10歳 ケニア


<絵に込めた思い>
電気は、社会の中で最も無駄にされているエネルギーの一つです。使わないときは、照明を消したり、電化製品のスイッチを切ったりして、僕たち子どもも節電に協力するべきだと思います。

<審査員講評>
母親がアイロンをつけたまま離れてしまったので、子どもが「ダメだよ」とスイッチを切っているシーンだろう。一コマ漫画風でおもしろい。
つま先立ちでスイッチに手を伸ばすさま、シャツが伸びて脇腹が見えている瞬間を切り取る表現力などは、大人も顔負けだ。2台のソファの配置や、アイロンとアイロン台、男の子と猫とが描く三角形の構図、色の流れや配分など、優れたデッサン力にも舌を巻く。
見れば見るほど発見のある作品。
 


「電気を節約しよう」
Jaysinh Pradipkumar Chauha さん
8歳 インド


<絵に込めた思い>
僕たちは、できるかぎりの節電をするべきだと思います。自然の風や光を使えば、電気を止めて、節電に協力できます。

<審査員講評>
太陽光パネルでつくった電気で天井のファンを回し、さらにドアを開けて空気を循環させた部屋で昼寝を楽しんでいるのだろうか。
赤、オレンジ、黄色、紫、・・・とインド特有の配色が、現地の香りまで届けてくれるような作品。モダンアートのような雰囲気でインパクトがあり、素質と将来性を感じる一方で、寝ている子どもの足下に畳まれた上着らしきものが描かれるなど、普段の習慣や几帳面な性格が垣間見え、ほほ笑ましい。
 


「わたしが まもる ちきゅうのしぜん」
阪井田 果林(さかいだ かりん) さん
6歳 日本


<絵に込めた思い>
私がおとなになって赤ちゃんを産んだ時もきれいな海、空気のきれいな所で生きていきたいです。
大好きな動物さんやお魚さんが、ゴミやきたない空気で苦しまないよう地球の掃除をしている絵をかきました。落ちてるゴミを集めて、よごれた所に緑を植えてる絵です。

<審査員講評>
地球に捨てられたゴミを拾ってきれいにし、かわりに緑の苗を植えようとしている。缶やカサ、釘などを腕に引っかけておく発想がユニークだ。
画用紙からはみ出さんばかりの構図には勢いがあり、大胆で実におおらか。子どもらしい、あっけらかんとした感性がよく表れていて、見ているだけで心が和んでくる。
日本列島が真ん中に大きく配置されているのも、エコ活動の中心になろうという呼びかけのように感じられておもしろい。
 


「自然のエネルギーで良い生活を」
Lanrao Liu さん
7歳 中国


<絵に込めた思い>
雲から落ちてきた雨を集めて、処理してきれいな飲用水にしてほしい。
太陽の熱を集めて、利用して発電してほしい。
夜にも歌を歌ったり、踊りを踊ったり、絵を描いたりすることができて、楽しく幸せに暮らせます。

<審査員講評>
数階建ての集合型住宅に複数の家族が暮らす、中国らしい生活スタイルがよく伝わってくる。
集合型住宅は、環境にやさしいともいわれているが、絵の中には太陽光発電、雨水タンクといった設備も描かれており、エコのエッセンスが明確な点もよい。子どもらしい素直な絵だが、背景に群青色を配し、家の明かりでシルエットが浮かび上がって映える。
グリーンとオレンジの使い方など7歳とは思えないほど色使いのセンスもある。
 


「緑のカーテン」
井上 実香(いのうえ みか) さん
11歳 日本


<絵に込めた思い>
今年の夏は「節電」を心がける夏です。緑のカーテンで日差しをさえぎり、室内を涼しくし、エアコンや扇風機を使わず、うち水やうちわで涼しくします。
お母さんの子供のころの話を聞いたりしてこの絵をかきました。
皆が協力して「節電」を心がけたいと思います。

<審査員講評>
扇風機は電源プラグが抜かれ、グリーンカーテンとすだれ、うちわで夏を快適に過ごしている。昔ながらの日本的な暮らしがいかにエコだったかを再発見させてくれる作品。
俯瞰で構図をとらえ、奥の部屋、手前の朝顔は細部まで描き込まれているが、ゴチャゴチャせず、よくまとまっている。縁の下にネコを配した遊び心もいい。
自然と一緒にエコ、家族みんなでエコといった、未来につなぎたいテーマが上手に表現されている。
 


「植物を育てよう」
Warangkhana Khanphakwaen さん
11歳 タイ


<絵に込めた思い>
子どもたちが木を植えているところを描きました。木は自然のバランスを保ち、地球上の酸素をつくり出す生きものです。
私の国タイでは、木を切ったために洪水が起こりました。みんなに森の大切さを知ってもらい、緑豊かな世界になるように木々を植えてもらいたいです。

<審査員講評>
描き手のセンスが光る、非常に難しい角度からとらえた作品。らせん状に並ぶ子どもたちと木々のバランスが、空間的な広がりを生み出している。恵みの雨に感謝しているシーンだろうか?
自然は人間にとって、決して優しいだけの存在ではないが、子どもたちのあふれるような笑顔にタイに暮らす人々の前向きさや、自然と共存していこうという国民性がよく表れている。
希望や光が感じられ、見ている側にも自然と笑顔が生まれるようなよい作品だ。

【優秀賞】

「環境と動物を守ろう」
Abdulah Adel Salmeen さん
14歳 バーレーン
「環境破壊反対!」
Andrea Natania さん
8歳 インドネシア
 
「私の初めての経験:光るホタル」
Devita Mayanda Heerlie さん
8歳 インドネシア
Diana Grinevich さん
9歳 ベラルーシ
 
Jostin Quintero Barberena さん
12歳 コスタリカ
「汚染が広がる前に何とかしよう」
Katarzyna Hebda さん
13歳 ポーランド
 
「地球を愛そう」
Kong Jia En さん
7歳 マレーシア
「どうしてこうなるの?」
羽鳥 未奈(はとり みな) さん
11歳 日本
 
「一緒にエコしよう」
Naw Christina Dwe さん
8歳 ミャンマー
「自然は私たちの友達です。」
Pablo Patricio Alban さん
14歳 エクアドル
 
「穏やかな生活」
Parangi Chetanbhai Rathod さん
10歳 インド
「夢の樹」
Pataraporn Saejew さん
9歳 タイ
 
「みんなで集めれば…」
益井 紗季(ますい さき) さん
13歳 日本
「私と家族とで大切にする自然」
Sara Abdulqader Alkamal さん
11歳 アラブ首長国連邦
 
「ラッパ吹きの少女」
河原 雪花(かわはら せつか) さん
14歳 日本
「ゴミ拾い」
Seyma Gül さん
7歳 ドイツ
 
「自然の家」
林 詩帆(りん しほ) さん
10歳 日本
「地球の果てからのメーデー」
菅原 伸太(すがわら しんた) さん
14歳 日本
 
「人が天国を作る」
Sodige Dilka Savindi さん
12歳 スリランカ
「私たちの地球のために植林を」
Supaporn Sueasuepphan Gadさん
13歳 タイ
 
「緑の地球」
Wang Xiao Ao さん
14歳 中国
「“魔”豆 (“マジック”ビーン)」
Wang Xin Yi さん
11歳 中国
 
「自然界の命と死」
Zemchugova Viktoria さん
10歳 エストニア

審査員の総評

【益田 文和 先生】
(審査員長、東京造形大学教授)

エコというテーマを身近な問題としてとらえ、「自分はこうしたい」という思いにフォーカスして描かれた作品が多かった。
しかも、子どもらしいポジティブさと笑いに満ちた絵もあれば、グランプリ作品のように象徴的でメッセージ性の強い絵もあるなど、バラエティに富んでおり、審査する側もおおいに楽しませてもらった。第1回入賞作のエッセンスを引き継ぎつつ、いっそうの飛躍が感じられた。
これが来年以降の応募者にとって刺激となって意欲的な作品が増えれば、本コンテストが環境教育に果たす役割もますます大きくなってくると期待している。

【大久保 澄子 先生】
(美術家)

第1回に引き続き、子どもたちの感性の鋭さに驚かされた。どの作品もその子の持つポテンシャルと天性の感覚がチラチラと光り、しかも外の世界へと訴えかける力にあふれていた。しかも今回は、テーマへの理解がより深まっていたように思う。
世界中で大災害や環境破壊が増えつつある状況だが、子どもたちはまっすぐに向き合い、自分がやるべきこと、めざす未来の姿が描けていた。こういう子どもたちの成長が、地球を救うことにつながるのだと思うと頼もしい。
子どもたちの育成を促すこういった花王の取り組みに、感謝と敬意を表したい。

【オヤマダヨウコ 先生】
(イラストレーター)

「楽しい」とか「上手」といった評価にとどまらず、見る人に感動を与える作品が入賞したと思う。応募用紙には絵に込めた思いを記載するコメント欄があるのだが、3.11の震災の影響があるのか、日本の応募作にはテーマに対する真摯な思いを綴ったものが散見され、胸を打たれた。
またコメントがなくとも、絵そのものが強いメッセージとなって審査員を魅了する力作も多かった。審査が進むほどに新たな魅力の発見がある。いい作品とは、講評が尽きないものなのだ。
子どもたちの作品を通して教えられたことも多く、私自身貴重な経験となった。

【マリ・クリスティーヌ 先生】
(異文化コミュニケーター・国連ハビタット親善大使)

昨年は「ゴミを減らそう」「緑を守ろう」といった、一般的にイメージされるエコを題材にした絵が多かったが、今回は自分なりの視点で、夢や希望を加味して描かれた作品が増えていた。
また、国や地域性を残しつつも、普遍的なメッセージを含む作品的なメッセージを含む作品が出てきた点もすばらしい。絵を見ると描き手の姿を想像するものだが、こんなすてきな作品を描くのはどんな子どもだろうと、審査も楽しかった。
こういった国際的な催しは国境を取り払い、平和への大きな一歩につながると思う。その意味で、ボーダレスに活動する企業の果たす役割は大きい。

【吉田 光利】
(花王クリエーティブハウス株式会社 部長)

最終選考に残った7点はいずれも表現豊かで、優れた作品だった。
第1回と比べても、エコというテーマに対する子どもたちの理解が深まり、一段とレベルアップしているのが感じられた。このコンテストも2回目となり、めざすべき方向性も明確になりつつあるように思う。選考にあたっては、ほかの審査員の方々と意見を交換し合うことで作品に対する多面的なアプローチが可能となった。
複数の視点が加わることで新たな発見があり、審査それ自体も大変楽しい時間であった。難しいテーマに取り組んだ子どもたちに感謝したい。

【中谷 吉隆】
(花王株式会社 執行役員 環境・安全推進本部長)

第1回に引き続き、今回もたくさんの力作に恵まれた。応募してくれた多くの子供たち、ご協力いただいた関係者の皆さまに感謝申し上げます。
子どもたちの作品は「なんとかしなくてはいけない」という使命感や、「できることから始めよう」という決意に溢れており、この子どもたちが担う地球の未来は明るいという希望が湧いてくる。この感動を、さまざまな機会を通じて多くの方々と共有していきたい。
また、花王としては、子供たちの期待に沿えるような環境にやさしい“よきモノづくり”にさらに積極的に取り組んでいきたい。

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