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※ここに掲載している内容は、掲載日(2010年1月13日)時点のものです。
花王は、常に消費者と顧客の立場にたった“よきモノづくり”を基本に、商品の開発、改良に日々取り組んでいます。お客さまにとってよりよい商品とはなにか――。お客さまの声に応えるための技術革新は、おのずと環境を配慮した商品づくりへと結びついていきました。今回の「お客さまと“いっしょにeco”」では、ベビー用紙おむつ「メリーズパンツ」をはじめ、お客さまのニーズに応えた商品の改良がエコにつながった事例をご紹介します。
花王は1983年、左右のテープで止める、テープタイプのベビー用紙おむつを発売しました。これが、現在まで20数年にわたってお客さまに親しまれている花王の紙おむつ「メリーズ」です。“赤ちゃんの肌にやさしい紙おむつ”というコンセプトのもと研究が重ねられた結果、「メリーズ」は世界で初めて透湿性シートを採用。この独自開発のシートは、おしっこはモラさずに水蒸気だけを逃がすため、ムレにくく、赤ちゃんのデリケートな肌を守ります。また、自重の500~1000倍もの量の水分を吸収できる高吸水性ポリマーも本格的に採用。おしっこをすばやく吸収し、逆戻りしないという特長で、「メリーズ」は消費者の皆さまに広く受け入れられました。
そして1994年には、はかせるタイプのパンツ型おむつ「メリーズパンツ」を発売。テープ型「メリーズ」の技術を活かしながら、お腹まわりの通気性や肌触りに配慮したギャザーを採用するなど、赤ちゃんの肌へのやさしさを追求した「メリーズパンツ」は、「メリーズ」に負けない人気商品になりました。その後も、赤ちゃんとお父さんやお母さんの笑顔のために、「メリーズ」「メリーズパンツ」は毎年のように改良を重ねていくことになります。


赤ちゃんの肌にやさしいおむつをめざして進化を続けているメリーズとメリーズパンツ
「メリーズ」と「メリーズパンツ」は、改良を重ねるごとに機能性を高めながら、環境面でもより負荷の小さな商品になっていきました。具体的にはどのような技術が開発され、どれくらい環境負荷の軽減につながっているのでしょうか?「メリーズパンツ」を例に、いくつかのポイントからご紹介すると――。
吸収体、ウエスト部、サイド部、表面シートなどのパーツからなる紙おむつですが、どのパーツも赤ちゃんの快適性を求めるうえで不可欠なものです。そのなかでも、おむつの快適さを大きく左右する吸収体は、高吸水性ポリマーとパルプから構成されています。パルプは水分をすばやく吸収体の内部に引き込む機能を有し、ポリマーはパルプが保持した水分を吸って固める役割を果たします。吸収体の性能が上がれば、モレを防ぎ、おしっこが肌に逆戻りしにくくなるので、赤ちゃんの肌にとってやさしくなります。花王では、商品開発を行うサニタリー研究所と素材の開発を行う素材開発研究所との共同開発により、たった1グラムで500CCもの水分を閉じ込める高吸水性ポリマーを完成させました。この技術革新は、商品の機能性を向上させるだけでなく、おむつ一枚あたりに使用するポリマーとパルプの量の大幅な削減につながり、その結果、原料の削減、ひいては廃棄物の削減にもつながりました。

自重の500~1000倍もの量の水を吸収することができる高吸水性ポリマー
研究者たちは、さらに赤ちゃんの肌にやさしい紙おむつをめざして、ウエスト部の改良にも着手します。ウエスト部は、しめつけがきつくなってはいけませんが、ゆるいとズレてしまいます。立ったり座ったりと、赤ちゃんの運動は活発。また、食事前と食後では、大人以上にウエストサイズの変化率は大きくなります。ウエスト部の開発においては、肌へのやさしさを保ちつつ、それでいておしっこを吸収して重くなったおむつをしっかりと支えられる設計が求められました。
このズレを防止するために、研究者たちは、赤ちゃんの体の構造に改めて注目しました。詳細な実態観察と検証により、赤ちゃんの腰骨(腸骨)部でおむつをしっかり支えてあげれば、ウエスト部のしめつけを大幅に小さくできることを見出しました。また、従来は糸ゴムを接着剤で止めていましたが、2枚の不織布を熱で接着するしくみに変えたことで、さらにウエスト部のしめつけを小さくすることができ、しめつけないのにズレ落ちないという、快適さの両立にも成功しました。これらの設計思想が評価され、「メリーズパンツのびのびウォーカー」は2008年度のグッドデザイン賞を受賞しました。さらに、接着剤の使用量が減ったということは、おむつ全体の重量も減ったということになり、ここでも、環境負荷の軽減に貢献しています。
「メリーズパンツ」にはそのほかにも、さまざまな新技術が投入されています。2008年にはウエストギャザー部にも通気性を改善する空気トンネルを設け、2009年の秋の改良ではウエスト部のみならず、足周りのしめつけを小さくするなど、より快適なおむつをめざした進化を続けています。
発売以来、大きなものだけでも14回にもわたる改良を経て、1994年と比較すると、おむつ一枚あたりの重量は約54グラムから約34グラムになりました。これは素材使用量が大幅に削減されたことを意味しています。軽量化にともなう製造工程や廃棄にかかるエネルギー消費量も削減され、ライフサイクルアセスメントの視点で考えると32%もCO2を削減したことになります。
「メリーズ」ブランドは、紙おむつの市場ではNo.1のシェアを誇り、お客さまからも高い評価をいただいています。これからも、「メリーズ」は新たなバイオ素材の開発など、さらなる機能向上・環境負荷の軽減をめざして、商品開発に取り組んでいきます。

さらなる商品の機能向上や、環境負荷の軽減のために真剣に議論する、サニタリー研究所の研究員

赤ちゃんの模型で紙おむつ装着時の歩行について解析

素材や機能の特長を活かした製造工程を検討する生産技術開発に携わる研究員
商品開発がエコにつながる事例は、ほかにも花王のさまざまな商品で見られます。たとえば、1987年に発売された「アタック」は世界初のコンパクト洗剤として話題を呼びました。それまで2.65キログラムほども重量があった衣料用洗剤ですが、「アタック」は半分以下の1.25キログラムを実現。また1995年には、水30リットルに対して使用する洗剤量を、25グラムから20グラムに軽減することにも成功しています。これら、コンパクトで汚れがよく落ちる洗剤の追求は、ついに2009年8月、すすぎの量を1回に減らすことを可能にした、世界初のウルトラ濃縮洗剤「アタックNeo」として結実しました。すすぎの回数が減ったことは、節水、節電効果にも結びつきます。また、濃縮による容器のコンパクト化は、材料の使用量の削減や、製造や物流の工程におけるCO2削減に貢献しています。

1987年の発売以来、進化し続けている「アタック」。

ワイドハイターは、1990年に漂白性能を高めつつ濃縮化を実現し、つめかえ用と同時に発売。そして2008年には、消臭・漂白力を高めた「ワイドハイターEXパワー」を発売。
そして、1990年に発売された酸素系漂白剤「ワイドハイター」でも環境負荷低減の成果が出ています。1999年に発売された「かんたん漂白 ワイドハイター1/2」では、漂白性能を高めつつ濃縮化を実現し、商品名が示すとおり、使用量が従来商品の半分で済む画期的な漂白剤となりました。また、液の特性上むずかしいとされてきたボトル容器やキャップの小型化・軽量化も実現し、つめかえ用商品も発売されました。2008年には、消臭・漂白力をさらに向上させた「ワイドハイターEXパワー」を発売し、つめかえ用製品の転換率87%を実現いたしました。

節水、節電効果にもなるすすぎ1回を実現した、世界初のウルトラ濃縮洗剤「アタックNeo」。
さらに、「アタックNeo」はライフサイクルアセスメントから考えると、従来商品と比べて約21%のCO2を削減、2008年に発売された「ワイドハイターEXパワー」は従来商品と比べ、約34%ものCO2を削減しています。お客さまの立場にたったよりよい商品の追求と、それを“絶えざる革新”の精神で研究、実現することは、社会に対する花王の使命です。環境を経営の根幹に据え、花王はこれからも“よきモノづくり”に取り組んでまいります。
次回は、ビジネスパートナーの皆さまとの協働により、商品機能の向上を通じて環境負荷の軽減を達成することができた、ケミカル事業の事例についてご紹介します。
※ここに掲載している内容は、掲載日(2010年1月13日)時点のものです。
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